クロウリハムシ(№234)

 山道を歩いていると、カラスウリの葉に丸い穴が開けられているのに出会いました。この穴(葉の食痕)はウリハムシの食痕№87(ウリハムシ)とそっくりです。これは、ウリハムシの兄弟とも言うべきクロウリハムシの食痕です。体長6~7mmで頭、胸、腹は黄色で、上翅(前翅に当たり、腹の上にたたみ込んだ際に上になる翅)と脚は黒く、全体に非常によく目立つハムシです。上翅が黒いところだけがウリハムシと異なります。
 成虫は、カラスウリ、キキョウ、エノキ、シソ、ダイズなどの葉に円い食痕を残して食べます。幼虫は、ウリ科植物の根を食害します。
 丸い食痕はトレンチと呼ばれ、最初に丸くかじることで、植物の溶液の流れを止め、有毒成分を止めたり葉を萎凋(しおれ)させて柔軟にするなどの作用があるそうです。アサギマダラやオトシブミなどに見られます。

 ウリハムシは、野菜のキウリ、カボチャを好み、クロウリハムシはカラスウリやキキョウを好むようで都会派と田舎派の住み分けをしているのでしょうか。
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▲クロウリハムシの食痕
▲クロウリハムシ成虫

マンデビラ(№233)

 春から秋まで、夏の高温時にも大きな花を咲き続ける人気の高い花です。かつては旧名のデブラデニアと呼ばれていました。
 さて、この花も不思議な構造をしています。開花中の花を上から見ても雌しべが良くわかりません。花弁を除き、そっと縦に割ってみました。中央部に見える薄緑色の塊が雌しべで、雌しべを包むように筒を形成しているのが雄しべです。このような構造をしている花は№83(キョウチクトウ)でも紹介しましたが、マンデビラも同じ仲間のキョウチクトウ科に属します。
 キョウチクトウはこのような構造からめったに種子をつけないと紹介しました№144(キョウチクトウ)が、稀に結実しているのが見られます。しかし、マンデビラの種子は見たことがありません。キョウチクトウのように豆の鞘のような実をつけるのでしょうか。

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マンデ~2-1
▲マンデビラの花
▲花弁を除いたところ
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▲縦に割ったマンデビラの花

ホシウスバカゲロウ(№232)

 猛暑もすぎ、ようやく秋の風が感じられるころ、部屋の窓を開け放していると体長30mmほどでトンボのような虫(写真左)が飛び込んできました。
 トンボにしては小さく、触覚もトンボよりはずっと長いのがわかります。しかし、翅はトンボに似て細長く、透明で多数の翅脈が見えます。とまるときは翅を胴の上に屋根型にたたみます。これはウスバカゲロウの仲間でホシウスバカゲロウです。
 本シリーズの№37(ウスバカゲロウ)の幼虫の一部は砂地にすり鉢状の巣(アリジゴク)を作ると書きましたが本種は巣を作らず、土に潜って通りかかる昆虫などをすばやく捕まえるそうです。 また、ウスバカゲロウの幼虫は後ろ向きしか歩けませんが、ホシウスバカゲロウの幼虫は前向きにも歩くことが可能です。
 成虫はカゲロウと違って2~3週間生きるようで、成虫も肉食だそうです。
 よく似た昆虫にツノトンボがいますが、こちらは触角がもっと長く簡単に区別できます。
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▲ホシウスバカゲロウ成虫
▲ホシウスバカゲロウ成虫

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