ナンキンハゼ(№191)

  ナンキンハゼは街路樹や一部の庭木としてなじみ深い中木です。この木も自家受粉を避けるための工夫として雄花と雌花の開花時期をずらせています。普通、このような場合は種として雌性先熟(雌花が先に開花)か雄性先熟(雄花が先に開花)かが決まっているものが多いのですが、ナンキンハゼの場合は個々の木によって異なることが知られています。
 写真1:雌花が先に開花し、受粉後雄花が開花する例。
 写真2:まず雄花(1番花)が開花し、雄花の花穂(穂状にかたまった花)基部から伸びた枝から別の花穂が伸びて雌花(2番花)が開花し、その後に再び雄花(3番花)が開花する例。
 写真3:写真2の例とよく似ているが、最初の雄花の花穂が落下してから、次の花穂が伸びる例。
 他に、雄花しかつけないものや、雌花→雄花(写真1)→雌花→雄花(写真2)と咲くものなど非常に複雑です。皆さんも観察してみてください。

 

nannkinnhaze1
nannkinnhaze2
▲写真1
▲写真2
nannkinnhaze3
▲写真3

カナブン(№192)

 里山のクヌギの木に樹液を求めて何種類かの昆虫が集まっています。この昆虫たちを観察していると面白いことに気づきました。
 普通、昆虫は4枚の翅を持っていてこれを使って飛んでいます。しかし、カナブンは違いました。カナブンも4枚の翅を持っています。外見上、カブトムシなどと同じようにみえますが、飛ぶときは、前翅を少し浮かせ、腹部との隙間から後翅を広げて飛んでいます。そのため、後翅は広げれば大きく、格納時には折りたたんで格納できるように、軽くて薄い構造になっているのでしょう。前翅は後翅を保護する役だけを担っているようです。

kanabunn2
◀カナブン

オオヒラタシデムシ(№190)

 夏になると、緑道を散歩する人が多くなります。干上がった緑道の排水溝には、ミミズの死体が多く見られますが、この死体を片付ける生き物たちがいます。オカダンゴムシ、ゴミムシの仲間、ハエなどがいますが、この中にやや大型で真っ黒な甲虫が見られることがあります(上の写真:交尾しながら食事中)。
 これはオオヒラタシデムシで、シデムシの仲間は動物死体の取り片づけを担当してくれています。特にオオヒラタシデムシは人里近くの林や原野に多く、交通事故にあったカエルなどの処理も引き受けてくれます。
 春先は幼虫が多く(右下写真)、生きた三葉虫のような体つきで動物の死肉を掃除してくれています。
 シデムシの仲間には子育てをするものもいて注目されています。

sidemusi1-300x154
sidemusi2-300x247
▲交尾中のオオヒラタシデムシ
▲オオヒラタシデムシ成虫
sidemusi3-300x244
▲オオヒラタシデムシ幼虫

ページトップへ