ヒメジョオン(№152)

 初夏のころ、道端に白く小さな菊のような花をつけた雑草が見られます。これはヒメジョオンですが、春先にはハルジオンと呼ばれる非常によく似た雑草も花をつけます。ヒメジョオンはハルジオンと比べ草丈高く(40~100cm)、蕾の時から頭花は直立し(ハルジオンは茎ごと下向きにうなだれる)、花は小さめで花数多く、5~9月に純白の花を開き(ハルジオンは4~5月、少しピンクを帯び)ます。はっきりと違う点は、ハルジオンの葉は基部で耳型となり茎を巻き、茎を切ってみると中空で、開花期の地際に根生葉(地面に接した矢車状の葉)が残っている点で区別できます。

▲花(左:ヒメジョオン、右:ハルジオン)
▲茎の切断面(左:ヒメジョオン、右:ハルジオン)
▲葉の基部(左:ヒメジョオン、右:ハルジオン)
▲根生葉(左:ヒメジョオン、右:ハルジオン)

セアカゴケグモ(№153)

 植木鉢を動かすと、鉢の底に黒くて小さなクモ(足を伸ばすと2cm程度)が見つかりました。よく見ると、背中の後ろ半分に赤い模様が入っています。
 1995年高石市で見つかったセアカゴケグモです。熱帯・亜熱帯原産の毒グモで、発見された当時は大変騒がれましたが、今では南大阪のどこにでも見られるようになりました。溝などに潜んでおり、垂直の糸を何本も張った不規則なクモの巣の上部に構え、歩行中の小動物が糸に絡むと上から粘着性の糸で吊り上げて捕らえます。性格はおとなしく、臆病なクモですが、素手で捕まえたりすると咬まれることがあります。メスだけが強い神経毒をもっています。
 交尾後、メスがオスを襲うことがありゴケグモと呼ばれるようです。

オナガアシブトコバチ(№151)

 オオカマキリの孵化状況を見るため、昨秋卵鞘を採り保存していました。ところが、5月6日になってこの卵鞘から体長2,3mmの黒い小さな蜂が出てきました。メスの産卵管は長く4、5mmあります。この蜂はオナガアシブトコバチといって、オオカマキリの卵寄生蜂です。ところで、産卵管4,5mmでは、カマキリ卵鞘の表面から産卵管を差し込んで産卵しても卵鞘中央までは届かず、卵鞘の周辺部のオオカマキリ卵だけに寄生することになります。予想どうり、蜂が羽化して10日ほど経ってからオオカマキリの幼虫が孵化してきました。つまりオナガアシブトコバチは自身の餌であるオオカマキリを全滅させることなく、常に一部を残すことになります。
 ここで疑問が残ります。蜂は成虫で、カマキリは幼虫です。カマキリの卵は秋まで存在しないはずです。蜂はカマキリが産卵する秋までどのようにして生き延びるのでしょうか。
▲雌成虫
▲雄成虫

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