クサカゲロウ(№136)

 1月、寒風の吹く中,クスノキの幹にしがみついている薄緑色のきれいな虫を見つけました。これはクサカゲロウの仲間で、日本には40種類ほどいるそうですがよく見るのは、ヤマトクサカゲロウ、ヨツボシクサカゲロウ、シロスジクサカゲロウなど10種程度のようです。
 クサカゲロウは、枝に細長い糸を付け、その先に卵をひとつずつ産んでいきます。通常、幼虫のえさとなるアブラムシやカイガラムシが多く発生しているところに卵を産みますが、このような場所には、アブラムシやカイガラムシが出す甘露を求めてアリもよく集まります。しかしクサカゲロウの卵は細くて長い糸の先にあるため、アリに気づかれることもなく無事に幼虫が生まれてきます。
 クサカゲロウの成虫は光に集まるため、室内の照明灯の近くに産卵されることもあり、優曇華(ウドンゲ)の花と呼ばれます。
◀クサカゲロウ成虫

ギンモクセイ(№137)

  かつて中国から導入された植木で、秋に白い小さな花を咲かせます。よく似た木で、橙黄色の花を多数つけるものにキンモクセイがあります。キンモクセイは強い香りを放ち、花の色、香りともに派手ですが、ギンモクセイは花の色も地味で、香りも甘くやわらかで、派手さはありません。ギンモクセイの変種で、花の色が黄色味がかったものをウスギモクセイと呼ぶようです。
  キンモクセイ、ギンモクセイ共に雌雄異株(雌花、雄花はそれぞれ別の株につける)で、日本には雄株のみが導入されたといわれていますが、大阪府の天然記念物に指定されているギンモクセイ(和泉市)が、実をつけているのを見つけました。昭和13年に植えられたそうですがこの木は雌株なんでしょうね。
▲ギンモクセイの大株
▲ギンモクセイの果実

スズバチ(№138)

 石垣の端に、泥の塊がくっついていました。指で押したぐらいでは簡単に崩れません。端のほうから泥を削りながら剥ぎ取ってみました。中は2つの部屋に分かれ、一つには大きな(長さ約2cm)蜂の子が1匹入っています。他の一つには干からびたアオムシの死骸と小さな蛹があります。これはアオムシが寄生蜂に寄生されていたからでしょう。
 狩蜂の1種スズバチが、アオムシを麻痺させ、泥で作った部屋に運び込んで産卵します。孵化した幼虫は、アオムシを食べて成長し、そのまま冬を越して次の春に成虫になります。2個の幼虫室を一まとめにして泥を上塗りしたものが今回見つけた泥の塊です。
▲石垣に作られたスズバチの巣
▲スズバチの巣の内部(幼虫が見られます)

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