アカアシノミゾウムシ(№117)

  5月頃、ケヤキ、アキニレ、ハルニレなどの大木の新葉先端が赤茶けていることが有ります。よく見ると先端は表皮を残した袋状になっており、その中に体長2.5mm程度の黒から赤茶色をした、小さな甲虫を見つけることができます。
  これはアカアシノミゾウムシです。名前のとおり、脚が赤っぽく、口が象の鼻のように伸びた小さなゾウムシです。この象の鼻は体の下側に入り込んでおり、横から見ないとよくわかりません。また、ノミゾウムシというだけあって、脚の腿にあたる部分が太く発達し、ノミのようにピョンと跳び視界から消えてしまいます。右下の写真は飛び跳ねる直前のもので、脚が赤っぽいことがわかります。写真を撮るのに大変苦労をしました。
  庭木も食害しますが、美観を損ねる程度の被害ですむようです。
▲アカアシノミゾウムシによるケヤキの被害
▲アカアシノミゾウムシ成虫
▲アカアシノミゾウムシ成虫

スイートコーン(№116)

 あちらこちらでスィートコーンの花が見られます。1本の株の先端に、花火のように開いているのは雄花です。雄花が花粉を出し切ると、その株の中央付近の葉の付け根から穂が顔を出し、多数の毛が出てきます。これが雌花で、毛の先端は柱頭、毛は花糸、毛の根元には胚がありコーンの種子となります。つまり、毛の数と種子の数は同じと言うわけです。
 1本の茎の雄花が先に開き、雌花が後で開くのは自分の花粉で受粉することを避け、他花受粉を望んでいるためで、受粉は風による風媒花です。ですからスィートコーンを1列に植えると、一番風上の1株は歯抜けとなることがあるため、列植では無く、塊状に植えるのがいいようです。
 ところで、スィートコーンは貯蔵養分の自己消化が激しいので、収穫後、時間の経過とともにうまみが減少していきます。収穫直後が一番美味いですよ。
▲スイートコーンの雄花
▲スイートコーンの雄花と雌花
▲スイートコーンの雌花

コブハムシ類(№115)

  ヒラドツツジの葉に、イモムシの糞が付いていると思いよく見ていると、この糞が動きました。
  コブハムシ類の幼虫でした。成虫は2mm程度の小さなハムシで、卵を自分の糞で包んで、葉の上につけます。孵化した幼虫は、親の糞の中に隠れながら葉を食べますが、大きくなると自分の糞を継ぎ足して、小さな烏帽子のような形にしていきます。糞巣の中で蛹になり、成虫になって出てきます。成虫もイモムシの糞そっくりで、何かに驚くと手足を締め(擬死)じっと動かなくなるためますますイモムシの糞に似ています。ツツジ類にはツツジコブハムシ、カシやクヌギにはムシクソハムシと呼ばれる種類が発生するようです。
  ツツジやクヌギの葉を食べ、年1回6月頃に成虫が発生し、成虫で冬を越します。
  こんなに小さな甲虫が、ここまで糞に似せ(擬態)て身を守らねばならない天敵はいったい誰なんでしょうか。
▲コブハムシ類(右中央)
▲コブハムシ類(顔を出した幼虫)
▲コブハムシ類成虫

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