マダニ(№108)

 春になると、それまで冬眠していた動物たちも活動を始めます。それと同時に、動物に寄生するムシ達も活動を始めました。
 昆虫ではありませんがダニもその中の一つです。若ダニと成虫は脚が4対(幼ダニは3対)で、胸と腹がくっついて一つになっています。
 植物の葉先で動物を待ち受け、脚の先端のハラー器官という感覚器で、動物の体温、呼気、振動などを感知し、通りかかった動物に飛び移ります。勿論、動物の中には人間も含まれ、草むらの中などによく入る人は、時々寄生されることがあります。マダニは吸血のみでなくスピロヘーターの一種による寄生虫病(ライム病など)を伝播しますので注意が必要です。

▲マダニ
▲葉の先で待機中のマダニ

フキノトウ(№107)

 春になると多くの山菜が出回ります。中でもフキノトウ(フキの蕾)は雪の中から芽を出し、山菜の中でも一番乗りをします。「昔、雪が色をほしがったとき、誰も色を分けようとしませんでしたがフキは自分の白色を雪に分けてやりました。それから、雪は白く、フキの上には雪が降らないようになった。」そうです。
 山菜としてはアクが強いので調理前にアク抜きをしますが、これを好む人も多いようです。
フキノトウはフキの蕾で、フキは雌雄異株です。雄株の花には雄しべと雌しべがあり、雄しべは花粉を出しますが雌しべは未熟で種子はできません(不稔の両性花=雄花)。雌株には雌しべがあり種子ができます
 写真に両者を並べましたが味も違うそうです。どちらが美味しいんでしょか。 

▲フキノトウ
▲左:雌花  右:雄花
▲左:雌花  右:雄花

ドクガ(№106)

 樹木商の育苗場を訪ねたとき、ベニバナトキワマンサクの枝上にケムシの一団を発見しました。
黒い体にオレンジ色の模様が入っています。これは、冬越ししたドクガの幼虫です。これから樹木(クリ、ウメ、サクラ、コナラ、バラ、ツツジなど)の葉を食害し、7~8月に成虫となります。初秋に孵化した幼虫は、やがて越冬します。年1回の発生です。
 2令以降の幼虫は毒針毛(長さ1mmに満たない短毛。長毛は刺さない。)を持ち、これに刺されると痛みよりも痒みがひどくかぶれます。この毒針毛は蛹になったとき、繭の表面に付着し、成虫になったとき、成虫の尾端に付着し、産卵されると卵の表面に付着します。そのため、毒ガの全世代が刺すことになります。また、この毒針毛は風に飛ばされて人に被害を出すことも有り、チャドクガとともに、厄介な害虫です。
◀ドクガの幼虫集団

ページトップへ