キリギリス(№51)

 初夏から夏の終わりまで、草むらでギィースチョンと鳴き続けたキリギリス。雄成虫は、前翅をこすり合わせて鳴きますが、そのとき後翅が邪魔になります。そこで後翅を落としてしまいます。そこまでしても鳴き続けるキリギリスを探してみました。
 草むらでにぎやかに鳴いていますが、声はすれども姿は見えずです。かなり慎重に近づいてもなかなかその姿を見ることが出来ません。鳴くときは草の上にいますが、危険を感じるとサッと地面の上に降ります。地面と言っても草むらのこと、そこには枯れ草があり、キリギリスが降りるとその姿は雲隠れとなってしまいます。
 下の写真でその姿を見つけられますか。体の色や模様がその生息地の色・模様に似ているのを保護色と言います。キリギリスもその見事な保護色と草むらの中にもぐりこみじっと動かない性質で身を守っているのです。
(*写真をクリックすると拡大されます)
◀草むらに潜むキリギリス

キュウリ(№50)

 春に植えたキュウリの収穫も、最盛期をすぎました。キュウリは茎から巻きひげを出し、他のものに絡み付いて茎を支えています。この巻きひげは茎の変化したものです。
 ところで、キュウリの巻きひげはどちら巻き?
 この写真はキュウリの巻きひげです。左の写真をよく見ると、中央付近で巻きつき方が変わっていますね。この部分を反旋点といいます。キュウリの巻きひげは物に触れると先端が巻きつき、反旋点を中央にして元と先で逆向きに巻きます。この巻き方は、茎に力がかかった時捻じれを分散しやすく、引っ張られても長く伸びることができます。1方向だけですと、雑巾を絞ったようになり、力が強いと茎が捻じ切れ易くなります。キュウリ、カボチャ、ゴーヤなどのウリ科をはじめトケイソウ科の植物など巻きひげで体を支える植物の多くが同じ巻き方をするようです。
 物に触れない場合は、一方向のみの巻き方となることが多いようです(写真右)。実に合理的な仕組みですね。
▲反旋点のある巻きひげ
▲反旋点の無い巻きひげ

クマバチ(№49)

 本社花壇のサルビア・ギャランティカ(俗称メドーセージ)を多くの昆虫が訪問し、吸蜜と花粉集めにいそしんでいます。中には大型のハチであるクマバチも盛んにやってきます。
 サルビアの仲間は、その蜜を花の奥のほうに分泌しており、花の奥にもぐりこむか、よほど長い口を持った昆虫でないと密にありつけません。しかしクマバチは体が大きすぎて、花にもぐりこむ事はできません。しかも短い口しか持っていないこの虫はどうして蜜を吸うのでしょうか。
 クマバチは花にやってくると、口を花の付け根に押し付けるように馬乗りになります。しばらくすると次の花に移ります。クマバチがごそごそやっていた花の付け根の筒状になった花びらに裂け目が出来ています。どうやらクマバチはそこから蜜を吸っているようです。花びらを破り、蜜だけ頂戴し、花粉媒介をしない(盗蜜)ちゃっかり屋なんですね。
(*写真をクリックすると拡大されます)
◀盗蜜中のクマバチ

ページトップへ