テントウムシ(№45)

 春にアブラムシが大量発生しました。それを追いかけるようにテントウムシが発生します。このテントウムシの面白い行動を見てみました。
 右の写真は白紙の上に黒い直線を引いたものです。わかりやすくするため10cm毎に横線を入れています。テントウムシを直線の0地点に置きそっと手を離して見ます。テントウムシは黒の直線に沿って一目散に歩いていきます。右側に連写した写真をおいてみました。
 テントウムシはなぜ直線の上を歩くのでしょうか。正確にはわかりませんが推定してみました。
 テントウムシは棒の先のような先端部へ登ってから飛び立ちます。また、餌であるアブラムシは植物の新葉(通常先端部)に寄生していることなどから、植物の茎などに沿って上へ、上へ登る習性があり、紙に書いた直線を植物の茎と勘違いしているのかもしれませんね。
 さて、紙の上の直線の色を変えたらどうなるでしょうか。また、線をS字型に曲げてみたらどうするでしょうか。皆さんもやってみてください。
▲葉の先端にいるテントウムシ
▲直線に沿って歩くテントウムシ

アジサイ(№44)

 6月になるとアジサイが満開となります。もともと日本にはガクアジサイが自生していました。ガクアジサイはたくさんの花が集まって一つの花のようになっています。周囲の花はガク片が大きく、赤、青、紫などの派手な色で昆虫を呼びます。しかし種子をつけないため飾り花と呼ばれます。ガクアジサイのガクは、花が終わった後、反転して下を向きます。中央の目立たない小さな花は両性花で種子を作ります。アジサイの学名(属名)であるハイドランギアはラテン語で水瓶(ミズガメ)の意味です。果実の形が水瓶に似ているためにつけられたものです。
 このガクアジサイがヨーロッパで品種改良され、再び日本に入ってきたものがアジサイ(ハイドランジャ)と呼ばれ、これは殆どすべての花のガク片が大きく、美しく変化したもので、これらの花は飾り花であるため種子は作りません。
 さて、アジサイ類の葉は対生(2枚の葉が茎の両側から向かい合って出る)が普通ですが、中には互生(葉が互い違いに出る)のものがあり、互生の品種は見事な花を咲かせることが多いようです。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲ガクアジサイ
▲アジサイ

ナミアゲハ(№43)

 よくご存知のアゲハチョウです。成虫はカミナリチョウとも言われ誰でもよく知っているチョウです。ではその卵や幼虫、蛹は?
 卵はミカンの仲間の新葉に1粒ずつ生まれます。直径約1mmの球形をしています。この卵から黒褐色の幼虫が生まれます。脱皮を重ねるにつれ白い帯状部が目立つようになります。この幼虫は鳥の糞に似せて、捕食を免れようとしているのでしょう。しかし、終令幼虫(4回脱皮した5令幼虫)になると体長が4cmにもなり鳥の糞にしては大きすぎます。そこで、5令幼虫はミカンの葉の色に似せて緑色に変わります。保護色といいます。おまけに、胸に目玉模様をつけ鳥を驚かそうとしているのでしょうか。終令幼虫から蛹になりますが蛹の色には2種類あります。ざらざらな面で蛹になると褐色に、つるつるな面で蛹になると緑色になるようです。蛹は夏であれば10日ほどで成虫になります。
 このように、卵ー幼虫ー蛹ー成虫と変わることを変態(完全変態)といいます。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲ナミアゲハの卵
▲若令幼虫
▲終令幼虫
▲蛹
▲ナミアゲハの成虫

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