ヒラタアブの仲間(№39)

 ユキヤナギの花が終わり、新芽が伸び始めると同時に新梢にユキヤナギアブラムシが取り付きます。新芽がしおれ、寄生部の下の葉にアブラムシが排泄する蜜が付きます。
このような状態になると、アブラムシの集団の中に、アブラムシを捕食するアブの幼虫、テントウムシの成・幼虫、カゲロウの幼虫などが見られるようになります。このように害虫を捕食する昆虫を天敵と言います。
 この写真は、ヒラタアブの仲間の幼虫と思われます。
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◀ヒラタアブ?の幼虫

ハラン(バラン)(№38)

 かつて、すし屋さんではハランの葉を如何にきれいに切ってすしに添えられるかで職人の格が評価されました。今では、すしはぐるぐる回ってきます。ハランはビニール製です。ですから、ハランは今や無用の長物的存在となってしまいました。でも、ハランには抗菌・防腐の作用があり、ビニールにはその様なメリットはないのですがね。
 このハランにも花が咲くことを知っていますか?多くは秋に蕾ができ、春に開花します。しかし、その蕾も花も土の中または枯れ葉の下で人の目に触れる事は殆どありません。
 春の除草を兼ね、古い葉も刈っていたところ、蕾、花、液果(水分の多い多肉質の果実)と種子が見られました。
 このように地味で、青臭い香りだけで土中に咲く花には昆虫は寄り付くことも出来ません。この花の花粉を媒介するのはナメクジとも言われていましたが、最近神戸大学、森林総合研究所の研究でキノコバエの一種であることが分かりました。ハランはキノコに擬態した花の形、香りでキノコバエを呼んでいるようです。
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▲ハランの花
▲ハランの果実

ウスバカゲロウ(№37)

 倉庫のひさしの下、乾燥した砂地の地面にすり鉢状の穴が見られます。これは、ウスバカゲロウ科の一部の幼虫が作った餌採りのためのわなです。成虫は、小型のトンボのような形をした昆虫です。
 砂で作られたすり鉢に落ち込んだアリなどの小動物は、上に上がろうともがけばもがくほど、足元の砂が崩れ落ちて下の方へ滑り落ちます。また、すり鉢の一番下の砂の中に隠れているウスバカゲロウの幼虫は、その大きなあごで、砂を放り上げ、餌が滑り落ちやすくします。ウスバカゲロウ科の幼虫は、写真のような大きなあごで餌をはさみ、体液を吸い尽くした残骸は、大あごで巣の外へ放り出してしまいます。このような生態からアリジゴクとも呼ばれます。
土の中で繭を作りその中で蛹になります。
 このように、餌採りのわなを仕掛けた後は、餌が落ち込むのをじっと待っています。そのため、時には1ヶ月も餌にありつけないこともあるようで、餌が少ないと幼虫期間は数年になるようです。また、この幼虫は肛門を閉じ、成虫になるまで糞をしない(最近、小便は排出することを小学生が発見しました。)ことや後ろ向きにしか歩けないなど変わった特徴を持っています。
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▲ウスバカゲロウ幼虫(アリジゴク)
▲アリジゴク
▲砂粒で出来たウスバカゲロウの蛹室

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