ヨモギハムシ(№33)

 2月も中頃となると3寒4温と言われるように、春を思わせる暖かい日もやってきます。
 3月並と言われた暖かい陽射しの中でルリ色の甲虫が日向ぼっこをしていました。成虫で冬を越しているヨモギハムシです。甲虫のハムシ類は小型のものが多いのですがヨモギハムシは大きな部類に入るでしょう。驚くとポロリと落ちて死んだまね(擬死)をします。立派な翅を持っていますが、めったに飛びません。ヨモギなどの葉を食べますが、この季節、餌となるものは少なそうです。
 のこのこ出てきたものの、もう少し暖かくなるまで眠りにつくことでしょう。
(*写真をクリックすると拡大されます)
◀ヨモギハムシ

サクラソウ(プリムラ・ポリアンサ)(№32)

 花の少ない冬場、プリムラの花が花壇を彩っています。サクラソウの中でも、プリムラ・マラコイデス以外の品種の花を正面から見ると、中央に雌しべの柱頭が見える株と雄しべがたくさん見える株の2種類があることに気づくでしょう。
 それぞれの花を縦に割ってみると写真のように雌しべが長く雄しべが下部についている花(長花柱花)と雌しべが短く雄しべが上の方についている花(短花柱花)があることがわかります。
 長花柱花では吸蜜にきたハナバチの口付近に、短花柱花ではハナバチの腹付近に花粉が付着することになります。従って、長花柱花の花粉は短花柱花の雌しべに、短花柱花の花粉は長花柱花の雌しべに運ばれることになります。この花は自家不和合性(自分の花粉では受精できない性質)のため、他の株同士で受粉する必要があり、このような工夫をしているのです。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲短花柱花
▲長花柱花
▲短花柱花断面
▲長花柱花断面

キチョウ(№31)

 立春も過ぎた2月15日、和泉試験地は冬に逆戻りし雪が降りました。小雪の降る中、地表近くの枯れ草にしがみついた、小さなキチョウを見つけました。土もコチコチに凍りつくような寒さの中、木枯らしに吹き飛ばされまいと枯れ草に必死にしがみついていました。
 チョウはその種類ごとに、卵、幼虫、蛹(サナギ)、成虫のどの時期で冬を越すかがほぼ決まっています。キチョウは成虫で冬を越します。テングチョウやタテハの仲間にも成虫で冬を越すものがいますが、普通は、もっと風の当たらない、茂みの中などでじっとしています。このキチョウは暖かい日に寝ぼけて出てきたが急に寒くなってしまって動けなくなったのでしょうか。寒風にさらされ、無事に春までがんばれるのでしょうか。

 指先も寒さでかじかみ、ピントも合わせられずボケてしまいました。

 (注:関西で見られるキチョウは現在キタキチョウとよばれるようになりました。)
(*写真をクリックすると拡大されます)


◀成虫で冬を越すキタキチョウ

ページトップへ