ツノロウムシ(№27)

 すっかり葉の落ちた柿の木の枝に、白いロウの塊が付いています。脚も翅もなく、全く動くことも出来ません。それでも昆虫の仲間なんですよ。孵化してすぐの幼虫は動き回りますが、やがて気に入った枝に固定した雌は生涯その場所から移動することも無く、木の汁を吸って生きています。しかし雄は翅を持った成虫となり、移動し交尾するといわれていますがまだお目にかかったことはありません。どうやら、雌だけで増える単為生殖が殆どのようです。春5月には、このロウの下は卵でいっぱいになり、やがて幼虫が這い出してきます。
 近親交配を避けるため、カイガラムシの仲間は、雄だけが移動できるものが多いのですがツノロウムシは雌だけで立派に繁殖しており雄は不要のようです。
(*写真をクリックすると拡大されます)
◀ツノロウムシ

キンギョソウ(№26)

 今年は暖かいせいかキンギョソウがまだ咲いています。比較的寒さに強い花ですが今年は正月すぎても元気です。この花の花弁は、キンギョソウというだけあってリュウキン(金魚の1種)の尻尾にそっくりですね。
 ところで、雌しべや雄しべはどこにあるのでしょうか。一見したところ見当たりませんが金魚の尻尾のような花弁を下に引いてみてください。大きな口を開けたように中が見え、上側に1本の雌しべと4本の雄しべが見えます。そして、雌しべ、雄しべと逆の花弁、つまり下側には2筋の光った部分がありますがこれは蜜です。花弁をこじ開け、蜜を食べにきた昆虫は、背中に花粉をつけ受粉させることになるのでしょう。
 ハナバチが花弁の中に頭を突っ込んだ様子はまるで竜に噛み付かれたような形になるのでキンギョソウを英語でSnap Dragon(かみつき竜)と呼ぶようです。
 ところで1月の寒い時期に訪ねてくる昆虫はいるのでしょうか。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲キンギョソウの花
▲黄色い花弁を下へめくったところ

カブトムシ(№25)

 畑の堆肥を掘っていると、中からころころしたイモムシが出てきました。丸くなっていますが伸ばすと10cmぐらいある大きな虫です。これが、土の中で過ごしているカブトムシの幼虫です。カブトムシの幼虫は落ち葉や枯れ木の腐ったものを食べて大きくなります。ですから、堆肥やしいたけのほだぎの腐ったものなどを積み上げてあるようなところを掘ってみると数十匹の幼虫を見つけることが出来ます。
 5月頃には土の中で蛹になる部屋(蛹室)を作り蛹になりますが、このとき雄は角の分だけ雌と比べてより大きな部屋を作ります。誰に教えてもらったのでしょうか。
(*写真をクリックすると拡大されます)
◀カブトムシ幼虫

ページトップへ