6月になりました。
木々の緑はどんどん深みを増し、散歩道にしっかりと涼しい木陰を作ってくれています。
最近、ちょっと頑張って長く歩くようにしていますが、日々変わりゆく葉の色や花に、季節の移ろいの早さを感じています。
陽射しの暑い日や、湿度の高い空気の澱んだ日もありますが、ザ~~っと木々を揺らして、青い香りを含んだ風が、颯爽と吹く日もあります。
こんな風が吹き抜ける時、母校で歌い継がれた曲の一節が思い浮かびます。
あ
♫ ああ、香はし(かぐわし)の青嵐(あおあらし)
あああ山波湧きて、駆くるかな ♫
あ
きれいなメロディーと歌詞が好きで、みんなでよく歌っていました。
でも、当時は青嵐の香わしさも、颯爽と駆け抜ける清々しさも、よく分かっていなかったような気がします。
自然の美しさに目を向ける余裕もなく、夢に向かって、課題に追われ一生懸命な日々でした。
学業だけではありません。
少しだけ大人の世界に足を踏み入れたファッション、音楽、映画、洗練された会話やしぐさ・・・
身につけなければいけない事は、身の回りにいっぱいありました。
みんなが一生懸命、はるか前にいる「なりたい自分」「なるべき自分」を追いかけて走っていました。
時々、懐かしくあの頃の事を思い出しますが、当時の自分達の必死さが、たまらなく愛おしかったり、空しかったりします。
長い年月が流れ、人生の折り返し点も過ぎた今、改めて若かったあの頃を振り返ってみると、一生懸命に走っていたあの頃は、自分達自身が「青嵐」だったのかもしれませんね。 |