2018年5月(May)

 5月になりました。明るい光に映えて新緑が美しいです。2018年は5月2日が八十八夜、5月5日が立夏だそうです。暦の上では夏になりますね。これからは、木も草もどんどん色が濃くなり、勢いを増していく季節ですね
  オオデマリ(スイカズラ科)
高さが2~3mになる低木で、5~6月に球状に密集した花を咲かせます。ヤブデマリの花(ガク咲き)が、すべて装飾花(手まり咲き)になった栽培種で、英名はジャパニーズ・スノーボールです。ヤブデマリは花後すぐに赤い果実がなり黒く変化しますが、オオデマリは両性花がないため結実しません。葉脈の部分がへこみ、プリーツのようになっているので、学名はビバーナム・プリカツム(「プリーツのある」という意味)。 写真は1本の木にピンクと白の花を咲かせるジェミニです。春に小さな花を球状に咲かせるコデマリはバラ科の花木でオオデマリとはまた異なる植物です。
 ジャーマンアイリス(アヤメ科
レインボーフラワーとも呼ばれるように、色とりどりの花を咲かせ、アイリスの仲間では最も華やかで多くの品種があります。ヨーロッパに野生する自然交雑種ゲルマニカをもとに、他の原種も取り入れて交配育成されました。ビアデッドアイリス(ヒゲアイリス)の類に含まれ、花弁のつけ根の近くに毛が密生しています。単色だけでなく、上の弁と下の弁で色が異なるものも多く、香りもあります。下の弁が垂れずに横へ広がり、フリルやフリンジが入った品種もあります。草丈も、開花期の早晩性も様々です。地際の根茎がふくらんで、横に這うように伸び株が広がります。
  シラン(ラン科)
日本・台湾・中国原産。紫色の花を咲かせる蘭なので「紫蘭」です。別名「紅蘭」「白笈」。丈夫で育てやすいですが、純然たる野生種は準絶滅危惧種に指定されています。ラン科植物の種子は一般的に特別な条件が無いと発芽しないものが多いですが、シランの種子はラン科としては異例に発芽しやすく、タネからふやしやすいです。花が白い「白花シラン」リップの先端が桃色の「口紅シラン」葉の縁に斑がある「覆輪シラン」まったく濁らない「純白花」青紫色を帯びた「青花」側花弁がリップ化した「三蝶咲き」なども人気です。
  クリソセファラム(キク科)
オーストラリア原産の耐寒性多年草(常緑低木)です。茎の先端に咲く鮮やかな黄色の小花と、美しい銀葉のコントラストが可愛い植物です。「イエローボタン」とも呼ばれ、原産地ではハーブとしても扱われています。早春から晩秋まで次々と花を咲かせ、開花が進むにつれて花の黄色が濃くなってきます。株は幅40~50cm、高さ15~25cm程度になり、ロックガーデンや花壇、鉢植え、寄せ植えなどいろいろと楽しめます。ドライフラワーとしても使われます。
  サルビア・コクシネア(シソ科)
アメリカ南東部、メキシコ、中央アメリカなどが原産の春まき一年草です。本来は宿根草ですが、耐寒性がないので、春まき一年草として扱われます。一年草のサルビアでは、サルビア・スプレンデンスについでよく栽培されていますが、サルビア・スプレンデンスよりは花持ちは良くないです。シソの穂に似た花が、初夏~晩秋まで長く咲き、秋が深まると花色が冴えてきます。花がひととおり終わったら、切り戻しをすると再びよく咲き、こぼれダネから増えます。写真はコーラルニンフと呼ばれる品種で、花の上側が白に近い薄ピンクで下側がサンゴ色です。
  宿根ガザニア(キク科)
南アフリカ原産。別名クンショウギク。宿根として出回っている品種は、一年草タイプと比較すると暑さ、寒さに強いです。一年草タイプも、本来は宿根草ですが、耐寒性がさほど強くなく、高温多湿に弱いことから一年草として扱われています。真夏には花付きが悪くなりますが、秋にはまた株一杯に花を咲かせます。花期になると花茎を伸ばし、花径5~8㎝程度のガーベラに似た鮮やかな花を、次々と咲かせます。 花は日が暮れたり曇っていたりすると閉じる性質があります。 ※閉じない品種もあります。写真のようなシルバーリーフの品種は蒸れに弱いですが、花のない頃も美しいです。
   散歩   
 5月になりました。1年で一番植物たちと親しめる時期かもしれません。
新緑のケヤキ並木の美しい事!!
様々な植物たちの香りを乗せて吹いてくる風も、とても気持ちが良いです。
我が家の植物たちも、柔らかな葉を広げています。
瑞々しいという言葉がぴったりの、いっぱい水分を含んだ葉です。
植物たちの求める水は自動潅水に任せて、私は花殻取りをして、柔らかにひょこっと生えている雑草を抜いていきます。
庭で作業をしていると、通りがかった人たちから、よく声をかけて貰えます。
「いつも綺麗にしてるね。」
「ここを通るのが楽しみで・・・」
「犬まで、ここでは立ち止まって、動かなくなるのよ。」
お世辞とはわかっていても、嬉しいものです。
そんな風に声をかけてくださる方の中に、あるご夫婦がおられます。
年老いた愛犬の散歩で、犬の歩みに合わせて、ご夫婦でゆっくり、ゆっくりと歩かれるのです。
みんなが慈しみ合っている感じがして、小津安二郎の映画のようで、とても微笑ましく見ていました。
冬の間、しばらく見かけないと思ったら、犬が亡くなってご主人が落ち込んでおられると聞きました。
大切なものを失うことは、とても辛い事でしょうね。
ところが、先日の事です。
前よりは少しだけ早いスピードで、散歩しておられるご夫婦を見かけました。
ご主人が少しだけ元気になって、ご夫婦で以前のように、散歩をするようになったそうです。
新緑の街を、遠ざかるお二人の後姿は、やはり小津安二郎の映画のようでした。

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