5月になりました。1年で一番植物たちと親しめる時期かもしれません。
新緑のケヤキ並木の美しい事!!
様々な植物たちの香りを乗せて吹いてくる風も、とても気持ちが良いです。
我が家の植物たちも、柔らかな葉を広げています。
瑞々しいという言葉がぴったりの、いっぱい水分を含んだ葉です。
植物たちの求める水は自動潅水に任せて、私は花殻取りをして、柔らかにひょこっと生えている雑草を抜いていきます。
庭で作業をしていると、通りがかった人たちから、よく声をかけて貰えます。
「いつも綺麗にしてるね。」
「ここを通るのが楽しみで・・・」
「犬まで、ここでは立ち止まって、動かなくなるのよ。」
お世辞とはわかっていても、嬉しいものです。
そんな風に声をかけてくださる方の中に、あるご夫婦がおられます。
年老いた愛犬の散歩で、犬の歩みに合わせて、ご夫婦でゆっくり、ゆっくりと歩かれるのです。
みんなが慈しみ合っている感じがして、小津安二郎の映画のようで、とても微笑ましく見ていました。
冬の間、しばらく見かけないと思ったら、犬が亡くなってご主人が落ち込んでおられると聞きました。
大切なものを失うことは、とても辛い事でしょうね。
ところが、先日の事です。
前よりは少しだけ早いスピードで、散歩しておられるご夫婦を見かけました。
ご主人が少しだけ元気になって、ご夫婦で以前のように、散歩をするようになったそうです。
新緑の街を、遠ざかるお二人の後姿は、やはり小津安二郎の映画のようでした。 |