2018年3月(March)
少しずつ春めいてきました。3月11日は「桃始笑」(桃始めて笑う)(桃始めて咲く)です。実際には、この時期に桃が開花するのは九州の南部だけだそうですが、暖かで華やかな初春の映像が浮かんでくるような言葉ですね。
ルピナス(マメ科)
南北アメリカ、地中海沿岸原産。ラテン語でオオカミを意味する「ループス(lupus)」が語源で、 オオカミのように荒れ地でも生育する強靭さをもつのでこの名が付きました。和名はハウチワマメ(葉団扇豆)。フジを逆さにしたような花姿から「登り藤」「立ち藤」の別名もあります。耐暑性が弱く、温暖な地域では一年草として扱われます。ニュージーランドの高原では繁殖しすぎて、牧草地を荒らし固有の植物を駆逐するので、雑草として駆除の対象となっている地域もあります。北海道でも高速道路の壁面、道端や空き地など、広範囲に群落を作っているそうです。写真は「ピクシーデライト」と呼ばれる矮性のものです。他のルピナスのような大きくてはっきりとしたタイプではなく、小さくて、楚々としていて、色合いが淡く、柔らかで、儚げなイメージです。
エリカ(ツツジ科)
ヨーロッパ・アフリカ(9割は南アフリカ)原産。小さな花が一杯に咲く姿が可憐で人気があります。短い針型や線形の葉が枝にびっしりと生えます。多くの種類があり、赤、桃、紫、白、花形も鐘状、盃状、筒状など多彩です。写真は「プチブライダル」あるいは「ブライダルヒース」の名で流通している南アフリカ南東部の限られた地域に分布するエリカです。長さ2㎝程度の白、ピンク色の筒状の花が美しい品種です。花期は3月~4月ですが、四季咲き性もあります。樹高100~150㎝程度に成長し、南アフリカでは庭木として広く栽培されています。暖地では戸外で冬越し可能ですが、高温多湿の環境が苦手なため夏越しが難しい品種です。夏場は涼しい場所に移動できる鉢植えで育てるのが無難です。
カレンデュラ(キク科)
南ヨーロッパ原産。20種ほどの原種があり、このうち、「トウキンセンカ」とも呼ばれるオフィシナリス種が最も多く栽培されています。ラテン語のカレンダエ(朔日、カレンダーの語源)に由来します。キンセンカ(金盞花)、ポット・マリーゴールドの名前でも呼ばれています。開花期は3~6月で、黄やオレンジ色の暖色系の花が華やかです。品種が多く、草丈や花の大きさ、花弁数もさまざまで、花の中心部が黒いものも多く見られます。強く育てやすいので広く利用され、冬の彩りとして重宝されています。南房総や淡路島など、暖地の畑では、古くから供花・仏花の切り花用に栽培されています。写真のような草丈の低い矮性種は花壇や鉢植えに利用されます。薬用や料理の着色料としても利用され、ヨーロッパでは昔から民間薬として利用されていました。
セアノサス(クロウメモドキ科)
北アメリカ西部~中央アメリカ原産。別名カリフォルニア・ライラック。種類がいくつかあり姿は大きく違いますが、どの種も春から初夏にかけて美しい青紫やピンク等の花穂をつけます。ただ花穂の大きさは様々で葉も種類によって大きかったり小かったりと色々です。株も中木程度まで育つ種類と、ブッシュ状にしかならないものもあります。どの品種も比較的乾燥した場所に植えれば丈夫ですが、ジメジメした環境に弱く、いきなり枯れる事もあるようです。種類にもよりますが寒さにはやや弱いです。写真は「パシフィックブルー」と呼ばれる品種です。花は濃い青紫で、葉は小さく艶やかで、ブッシュ状に育ちます。セアノサスの中では一番一般的な物です。
スクテラリア(シソ科)
スクテラリアは、シソ科タツナミソウ属の宿根草(亜低木)を指し、アジアや中米などに自生しています。日本に自生しているタツナミソウ
もこの仲間です。その名はscutella(盃)に由来します。園芸品種の改良が進み、花の美しい種間交雑による品種が出回っています。
流通している種類を見ると、花の形は比較的似ていますが、草姿はかなり異なっています。ほとんどが丈夫で病害虫にも強く、冬の寒さに気をつければ、丈夫で育てやすく、半日陰でも育ちます。写真は「ブルーファイヤー」と呼ばれる品種で、濃いコバルトブルーの花がとても鮮やかです。つやのある葉を持ち、暑い夏にも涼しげな小輪の青花をたくさんつけるので、コントラストがとても綺麗です。開花期間も5~10月と長く、春から晩秋まで楽しめます。
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啓蟄
日に日に春が近づいてくるのを感じます。朝夕の明るさが違いますね。
三月六日は啓蟄です。
啓蟄とは虫が冬眠から目覚め活動を始める頃という意味だそうです。
(実際に虫が活動を始めるのは、鹿児島では2月下旬、東京や大阪で3月下旬、札幌は5月上旬頃だそうですが・・・)
いよいよ、様々な花が咲き、虫たちが動き出す春がやってきますね。
あ
先日、ネットのニュースに「飛べないテントウムシ」の記事がありました。
テントウムシはアブラムシの天敵として、農作物を害虫の被害から防いでくれます。
一日に、100匹も食べてくれるそうです。
ところが、テントウムシの習性として、高い所に登ったら回りにアブラムシがいても、飛び立ってしまいます。
これを防ぐために、「飛ばない」「飛べない」テントウムシが研究されたそうです。
今までは、様々な個体の中から、飛ぶ能力の低いナミテントウを探しだして、それらを交配することで、遺伝的に飛ぶ能力を欠くナミテントウを育てていました。
2013年には千葉の高校生たちが、掃除機の吸い込み口と網を使って捕まえたテントウムシの羽に接着剤を付けて、飛べなくするアイデアを出していました。
ニュースに載っていたのは、千葉県立農業大学校の研究で、テントウムシの羽に樹脂を付けて飛べなくするという方法です。
樹脂は、テントウムシや作物に無害なものを使います。
繁殖や捕食能力などには影響はなく、樹脂は約2カ月で剥がれ、再び飛べるようになるそうです。
研究や開発は、大きな組織が、多くの資本を投資してやっと成果を上げる物のように思ってしまいますが、身近なアイデアと小さなテントウムシ達が、大きな成果を上げているのですね。
暖かくなって、テントウムシがウロウロしだしたら、私も接着剤をポケットに虫捕りをしたくなりそうです。
あ
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