雨や台風に気を取られているうちに秋が随分深まり、もう11月になりました。早いものです。
久しぶりに、家の近くを歩いていたら、ケヤキ並木が緑・黄・赤のまだら模様に変わっていました。
これから、木々は日に日に色を変え、鮮やかな秋を見せてくれるのでしょうね。
先日、本を読んでいて見つけたのですが、この頃の手紙に添える季節の言葉として、「灯点し頃(ひともしごろ)」があるそうです。
何か、映像が浮かんでくるようですね。
秋の夕暮れがどんどん早くなってきて、暗くなるにつれて、気温が下がり急に寒くなってきます。
学校から、職場から、みんな家に戻ってきます。
いっぱい遊んで高揚した子どももいれば、足取り重く帰る子どももいるかもしれません。
重い鞄を抱えた人もいれば、夕食の材料が入ったスーパーのビニール袋をさげた人もいます。
そんな街に、ひとつ、ふたつと灯りが点っていきます。
それぞれの家庭に、それぞれの暖かな幸せの灯があるのです。
そう言えば、遠い昔の事ですが、結婚して間もない頃、夫が
「灯りの点いた家に帰るのが嬉しい。」と言ってた事がありました。
ぽつぽつと灯りの点っていく家々を見ると、多くの人がそれぞれの物語を思い浮かべる事でしょう。
夕暮れが早くなり、肌寒くなってくるこの季節には、ちょっと儚げで人恋しいような、こんな言葉がぴったりですね。 |