2017年7月(July)

 7月になりました。7月7日は小暑です。本格的に暑くなり始める頃です。梅雨も終わりに近づき、雷をともなった雨が降るようになります(送り梅雨)。いよいよ夏です。野山に虫が増え、ユリ科植物がにぎわう季節です。
スカシユリ(ユリ科)
スカシユリは本州の海岸の砂浜や山地の崖に生える球根性の多年草です。花被片の間に隙間があり透けて見えるのでこの名が付きました。英国王立園芸教会ではエゾスカシユリやオニユリなどのアジア原産種とその交配品種(アジアティック ハイブリッド)の総称として「スカシユリ」を使います。白、ピンク、黄、バイカラーの花を5~7月に開き、花はカップ状で上向きに咲き芳香はあっても弱いです。ユリの中で一番丈夫で日当たりと風通しのよい場所に植えると何年間も咲き続けます。
 セロシア(ヒユ科)
もともとはケイトウ(セロシア属)と呼ばれていましたが、最近はケイトウの園芸品種がセロシアの名前で流通していて、ノゲイトウを改良して作った園芸品種を限定してセロシアと呼ぶ場合もあります。写真は「サマーラベンダー」で小さめの花穂が風になびく姿がとても綺麗です。花色は咲き進むにつれて明るいパープルからシルバーピンクに変わります。春~秋まで咲き続け、切り戻しをしなくても自然に枝が増えます。切り花やドライフラワー、寄せ植えにも最適で、こぼれ種でも毎年咲きます。
ハツユキソウ(トウダイグサ科)
北アメリカ原産の一年草で、クリスマスの頃に出回るポインセチアと同じユーフォルビア属です。草丈は1m前後になり、葉の縁が真っ白に彩られます。夏に色づいた葉っぱの中に埋もれるように小さな黄緑色の花を咲かせます。白い葉が涼しげで、見頃の時期には雪が積もったように見えます。寒さには弱く、冬前には枯れます。写真は葉の白の色付きが早く発色も良い「氷河」です。名前の似ているハツユキカズラはキョウチクトウ科のつる性植物で、全く別の植物です。
ペチュニア(ナス科)
初夏から秋にかけて咲く草花で、500種以上の園芸品種があり、大輪、中輪、小輪種、八重咲き、一重咲きなど様々です。名前の由来はブラジル語で「たばこ」を意味する「ペテュム」からきています。ペチュニアの葉をタバコの葉と混ぜて吸ったと言われています。別名「ツクバネアサガオ」。雨に弱い以外は育てやすい植物で、花が少なくなったら、切り戻しを行うと沢山の花が楽しめます。最近は写真のようにシックな色合い、咲き進むにつれて変化するetc多彩な品種が増えてきました。
カラミンサ (シソ科)
南ヨーロッパ、地中海沿岸原産の常緑多年草で、白、ピンク、淡紫色の小さな花が柔らかい茎に群がって咲き、すがすがしいミントに似た香りを漂わせます。写真はカラミンサ・ネペタで、カラミンサの中で日本では一番多く流通しています。葉はハーブティーとしても利用できます。耐暑性、耐寒性に富み、初夏~秋まで長期間楽しめます。葉も花も小さく、カスミソウに似た使い方ができるので、寄せ植えなどにも適しています。ミントに似ていますがミントの仲間ではありません。
カラー(サトイモ科)
南アフリカ原産です。長い棒状の花茎に、くるりと巻いたような仏焔苞(葉に似た組織)を持つユニークな花です。カイウ(海芋)という和名は、本来はミズバショウを指すものでしたが、カラーにも適用されました。湿地でよく育つ湿地性と、乾燥した土地を好む畑地性に分けられます。湿地型は江戸時代にオランダから渡来して、オランダカイウの名で古くから作られています。写真はオランダカイウの「ピカソ」で、紫に淡いクリーム色の覆輪が入ったタイプです。
昆虫達のいる世界      
 7月になりました。梅雨時は、植物たちが実に元気です。ニョキニョキと伸びて、瑞々しい葉を広げます。
先日、テレビの園芸番組で「バタフライガーデン」を紹介していました。
シンガポールのチャンギ国際空港にも、バタフライガーデンがあるそうです。多くの蝶が舞う庭は、楽園のように美しいでしょうね。
ただ、バタフライガーデンを作るには、幼虫の餌となる植物も、植えなくてはいけません。せっかく育てた植物を幼虫たちに食べられてしまうのは、やや躊躇してしまいます。
大人になると、だんだん虫に対して、リスクを考えてしまうというか、ネガティブな印象を持つようになってしまいます。
子どもの頃、昆虫はドキドキ・ワクワクする存在でした。
私はアゲハチョウの幼虫を育てたことがありますが、羽化する時には、生命の神秘に感動しながら、息を詰めて、じっと見つめたものでした。
そして、私の通っていた小学校は、山が傍にあったので、子どもたちと昆虫の関係がとても近かったような気がします。
放課後、男の子たちは「ゲンジ取り」に行きます。(ゲンジとは私の小学校ではクワガタムシを意味します。)
そして、次の日黄色い帽子に入れてゲンジを持ってきます。
女の子は蝶は取っても良いけど、ゲンジ取りは男の子だけ、女人禁制の世界のようでした。
夏休みが終わると、自由研究の作品を持って登校します。
男の子のほとんどは、木箱にピンで止めつけた昆虫採集の成果を、誇らしげに持ってきていました。
あの山の近くの小学校では、この季節みんなどう過ごしているのでしょう?
あの頃のように、今も昆虫達が身近にいる世界なのでしょうか?

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