五月になりました。新緑を背景に様々な花が咲き誇る、多分一年で一番美しい季節です。ありふれた街の風景も、輝いて見えます。
エコ・ワークスの植物たちは、生き生きと花を開き、良い香りを漂わせています。
先日、写真撮影の為エコ・ワークスの庭に入ると、植物たちの放つ香りとエネルギーと美しさに、私の体中に滞っていた様々な物が、すべてデトックスされたような、爽快な気分になりました。
科学で随分解明されているようですが、私は植物が人間の体や精神に与える影響は、まだまだとてつもなく大きい思っています。
あそんな事を考えていた時、建築家の津端修一さんと妻の英子さんの本に出合いました。
津端さんご夫妻の家は、雑木林に囲まれたニュータウンの一角です。
家を取り囲むキッチンガーデンでは120種もの野菜や果物が実り、ほぼ自給自足の暮らしをしてこられました。
その野菜や果実は、英子さんの手で、すてきなごちそうに変わります。
そんな高齢のお二人が、寄り添いながら丁寧に日々を紡ぐ生活が、感動を呼び映画にもなりました。
”風が吹いて葉が落ちていい土になって果実が実る”
”人生は長く生きるほどより美しくなる”
”小さく、こつこつ、ときをためて、ゆっくり”
そんな言葉がストンと心に落ちます。
修一さんはこうも書いておられます。
「昔のお百姓さんはみんなで働いて一反の田んぼで作物を作り三世代以上の暮らしを支えていた。それが今はみんな自分の肉体を使って働いて自分の命を支えているという実感をなくしてしまっている。」(東京新聞の記事より抜粋)
心にじっくりと留めておきたいメッセージです。
あ最近、私の夫はリタイアして、心のよりどころを見失っているようにも見えます。
私たちも、小さなキッチンガーデンから始めてみましょうか?
植物や土と直接関わって、体を使って世話を焼き、その恵みを分けて貰うことで、ゆっくりじっくりと「生きている実感」を確認できるかもしれません。 |