2017年3月(March)

 3月になりました。3月5日は啓蟄です。24節気を三つに分けた72候では、3月10日は桃始笑(ももはじめてわらう)です。暦の上でも春が近づいてくるのが感じられますね。光も風も少しずつやわらかくなって、何となくウキウキする季節です。
カワヅザクラ(バラ科)
カンヒザクラとオオシマザクラ(諸説あります)が自然に交配してできた桜で、静岡県河津町で見つかりました。一月下旬ごろから咲き始め一足早い春を演出します。花の色が濃いことや早咲きで花期が長いことから人気が高まりました。各地に名所がありますが、発祥の地の伊豆河津町の並木や三浦海岸のものが有名です。サクラにしては小さくまとまり、花が少ない時に存在感のある花を咲かせるので庭木に向いています。花言葉は、「優れた美人」「純潔」「精神美」「淡泊」
リュウキンカ(キンポウゲ科)
本州・九州に分布します。水辺や湿地などに生育しミズバショウの群生地に見られます。黄金のようにつややかな黄色い花が、立ち上がるように咲くので立金花の名がつきました。別名バテイソウ(馬蹄草)。花弁のように見えるのは萼片です。夏には地上部は枯れて休眠します。その輝く姿から「太陽の花嫁」「黄金の花」と呼ばれましたが、嫉妬に狂った乙女の伝説から嫉妬の象徴ともされてきました。花言葉は「必ず来る幸福」」「お金持ちだったらいいのに」
クリスマスローズ(ヘレボルス)(キンポウゲ科)
欧州原産。花の少ない時期から、うつ向き加減にシックな色の花を開きます。 「ヘレボルス・ニゲル」がクリスマスの頃に咲くのでがクリスマスローズの名が付きましたが、春に咲くものも含めてヘレボルス全般がこう呼ばれます。 花は中心部の小さい部分で、美しく見えるのは萼片です。 花言葉は「追憶」の他に中傷・誹謗・中毒・悪評・発狂など毒々しいものもあります。実はギリシャ語でHelleborus のHelleは「殺す」borusは「食べもの」をあらわし、毒草なのです。
木立性セネシオ(キク科)
カナリア諸島などに分布する野生種を交雑させ、草丈が低く株の中心に花が集まるように改良した物がサイネリアですが、これにに再度野生種を交配して木立性セネシオができました。写真は桂華で富貴菊とも呼ばれます。生育はとても旺盛で開花しながら大きくなります。大鉢だと5~6月には 株張りが1m位、花数も100~200になり、1つの花がおよそ1~2ヶ月も咲き続けます。寒さに強く、日当たりの良い場所なら、雪や霜にあてない限り、長く花を楽しむことができます。蒸し暑いのは苦手です。
ボロニア(ミカン科)
オーストラリア南西部原産の常緑低木で、乾燥した明るい硬葉樹の林内に生えています。かわいい丸い蕾と、ベル形や星形の花が細い枝いっぱいにつきます。枝葉は柑橘系の香りがし、花にも香りがある品種が多く人気があります。過湿にすると根腐れを起こす一方、一度水切れを起こすと葉がぱらぱらと落ちて復活しないなど、水やりの加減が難しい植物です。写真はボロニア・キャンデュレリで、花の外側が焦げ茶色で内側が黄色のクラシカルな鈴蘭のような花を咲かせます。
ルピナス(マメ科)
南北アメリカ、南アフリカ、地中海沿岸原産。ルピナスの名はオオカミに由来し、吸肥力が非常に強い特徴を貪欲な狼にたとえたものです。和名はハウチワマメ(葉団扇豆)。また、花がフジに似ていて下から咲き上がるため、ノボリフジとも呼ばれます。根はゴボウのように太くまっすぐなので移植は工夫が要ります。耐暑性が弱く、温暖な地域では一年草として扱われます。ヨーロッパでは古代から食用や薬草として使われており、今も大豆アレルギーを回避する代用食品として利用されています。
梅林にて
 昼の時間が長くなり、日差しも吹く風もどんどん春めいてきました。
葉を赤っぽくして寒さに耐えていた植物たちにも、少しずつ緑色が増え、木々には早春の花が咲き始めました。
春が近づくこの季節は特に、自然豊かな泉北ニュータウンに住む幸せを感じます。
私は相変わらず散歩を楽しむ日々です。今一番好きな散歩道は、あぜ道を抜けて梅林に行く道です。
梅林は、最盛期です。
鮮やかな鹿児島紅、清楚な白加賀、一重の花、八重の花、早咲き、遅咲き、枝垂れた姿もあります。
色んな梅がそれぞれに、つぼみを膨らませ、花を開いています。
若い家族連れ、杖を突いた夫婦連れ、高齢の方とその車いすを押す人・・・
多くの人が、それぞれに梅の花を楽しんでいます。
みんながとてもいい表情で梅を見上げていて、一面にほんわかと幸せのオーラが漂っています。良い光景です。
梅の咲くこの時期には、心配な事が多くありました。
受験のシーズンでもあり、体調を崩しやすく、私の元からの遠くへの巣立ちを控えていた時もありました。
だから、悲壮感いっぱいに神頼みをした後、気持ちを落ち着けて、やっと静かに梅を眺めたものでした。
神社には、今までのを全部合わせれば、随分たくさんのお願いをしました。
叶った願いも、叶わなかった願いもありました。
今になって振り返ってみると、不本意ながら進むことになった道が、結果として一番良い道だった事もあります。
梅林を歩いていると未だに、ハラハラと過ごしたあの頃の、記憶や光景が蘇ってくることがあります。
良い表情で梅を見上げている人たちも、心の中にはそれぞれに梅の花にリンクした思い出があって、時にはそのあれこれを梅の花に重ねて、振り返っているのかもしれませんね。
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