2017年3月(March)
3月になりました。3月5日は啓蟄です。24節気を三つに分けた72候では、3月10日は桃始笑(ももはじめてわらう)です。暦の上でも春が近づいてくるのが感じられますね。光も風も少しずつやわらかくなって、何となくウキウキする季節です。 |
梅林にて | ||
昼の時間が長くなり、日差しも吹く風もどんどん春めいてきました。 葉を赤っぽくして寒さに耐えていた植物たちにも、少しずつ緑色が増え、木々には早春の花が咲き始めました。 春が近づくこの季節は特に、自然豊かな泉北ニュータウンに住む幸せを感じます。 私は相変わらず散歩を楽しむ日々です。今一番好きな散歩道は、あぜ道を抜けて梅林に行く道です。 梅林は、最盛期です。 鮮やかな鹿児島紅、清楚な白加賀、一重の花、八重の花、早咲き、遅咲き、枝垂れた姿もあります。 色んな梅がそれぞれに、つぼみを膨らませ、花を開いています。 若い家族連れ、杖を突いた夫婦連れ、高齢の方とその車いすを押す人・・・ 多くの人が、それぞれに梅の花を楽しんでいます。 みんながとてもいい表情で梅を見上げていて、一面にほんわかと幸せのオーラが漂っています。良い光景です。 梅の咲くこの時期には、心配な事が多くありました。 受験のシーズンでもあり、体調を崩しやすく、私の元からの遠くへの巣立ちを控えていた時もありました。 だから、悲壮感いっぱいに神頼みをした後、気持ちを落ち着けて、やっと静かに梅を眺めたものでした。 神社には、今までのを全部合わせれば、随分たくさんのお願いをしました。 叶った願いも、叶わなかった願いもありました。 今になって振り返ってみると、不本意ながら進むことになった道が、結果として一番良い道だった事もあります。 梅林を歩いていると未だに、ハラハラと過ごしたあの頃の、記憶や光景が蘇ってくることがあります。 良い表情で梅を見上げている人たちも、心の中にはそれぞれに梅の花にリンクした思い出があって、時にはそのあれこれを梅の花に重ねて、振り返っているのかもしれませんね。 |