2017年1月(January)

nenga  明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
1月5日は小寒で、これから寒さが本格的になります。でも、楽しみもあります。大阪では乾燥した「寒晴」が続くので、空が冴えわたり「オリオン」「冬銀河」「寒昴」など星降る夜が楽しめます。
カンツバキ(ツバキ科)
寒椿は「寒い季節に花を咲かせるツバキ」という意味もありますが、ガーデニングではサザンカとツバキ の交配されたカンツバキ群を意味します。(純粋な中国原産のカンツバキもありますが見た目はほとんど同じです。)ツバキよりサザンカにちかい種類で、図鑑ではサザンカの項目でカンツバキを紹介しているものもあります。花弁と雄蕊が合着している椿の特徴、花びらが1枚ずつ散る山茶花の特徴(椿は花が丸ごと落ちます。)を合わせ持ちます。花言葉は「申し分のない愛らしさ」
ギョリュウバイ(フトモモ科)
オーストラリア・ニュージーランド原産の常緑低木です。葉の姿が「ギョリュウ(御柳)」に似ていて梅のような花を咲かせるのでこの名が付きました。レプトスペルムム ティーツリーの別名もあります。花は枝の先端近くにびっしりと付き最盛期は全体が花色に染まります。一重咲き・八重咲きがあります。開花後は小さな褐色の果実を付け、熟すと裂けて中から細長いタネをたくさん出します。花言葉は「蜜月」「華やいだ生活」「素朴な強さ」
レオノチス(カエンキセワタ)(シソ科
南アフリカ原産。細長い葉のつけね・花茎のまわりに、段になってびっしりとつくユニークな蕾から、ビロードのような毛に包まれたオレンジ色の筒状花が開き、花火のようにも見えます。強健で、乾燥したやせ地で良く育ちます。ギリシャ語のLeon(ライオン)とOus(耳)が名前の由来です。別名はライオンズイヤーです。燃える炎のようなので和名はカエンキセワタ(火焔被綿)です。白花品種もあります。花言葉は「雄大」「特徴」
ヒューケラ(ユキノシタ科)
北アメリカ原産の宿根草です。葉色のバラエティが豊富で、葉が重なるように密に茂り、コンパクトな草姿 なので、カラーリーフプランツとして寄せ植えなどに使いやすく、人気があります。 常緑性でほぼ一年中同じ草姿を保ち、ほとんど手がかからず、日陰でもよく育ちます。写真はドルチェの名で流通しているもので、バタークリーム、スノーシュクレなどの美味しそうな名前がついています。
カロケファルス(キク科)
オーストラリア原産の常緑小低木です。シルバーブッシュ、プラチーナの別名もあります。樹氷のような キレイな白銀色の細い茎葉は、寄せ植えにもぴったりです。耐寒性に優れるので冬でも楽しめますが、夏の暑さは厳禁です。オーストラリアでは海岸付近に生息しているので乾燥に強く、過湿を嫌います。秋から冬にかけてはあまり生長しないので、秋に寄せ植えをすれば、シーズンの最後まで形を崩さずに鑑賞できます。
ニホンスイセン(ヒガンバナ科ユリ科に分類される時もあります。)
地中海沿岸原産です。冬から早春にかけて咲くので雪中花の別名もあります。芳香のある3㎝ほどの盃状の花を房咲きで開花します。中国南部から黒潮によって漂着したので、伊豆・下田、淡路島、越前海岸などに群生しています。種子が出来ないので、増殖は鱗茎(りんけい)の株分けになります。 可憐ですが全草、特に球根に毒があります。花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」
白い花たちの谷
 皆様、あけましておめでとうございます。
今年も「今月の花」をよろしくお願い致します。
さて、新年に書く「今月の花」としては、季節感がややそぐわないのですが、私が先日旅行しましたニュージーランドの話です。
初めに驚いたのは、ニュージーランドは入国の時、とても検疫が厳しい事です。食品の持ち込みが制限されているだけではありません。トレッキングシューズやキャンプ用品も厳しくチェックされます。少しでも汚れていると、別室に行ってブラシでゴシゴシと洗うように求められるそうです。
バスでルピナスの群生を見ながら、アオラキ国立公園に着きます。
翌日は、フッカー氷河までのトレッキングです。花たちが満開でした。マウントクック・リリーは、強い風の中で凛と美しく咲き、他にも、ホワイトフィンガー・オーキッド、マウンテン・アニス、ラージー・マウンテン・デイジー、ダフィン、スカーレット・スノーベリー、ニュージーランド・ブルーベル、ニュージーランド・バイオレットなどが、小さく可憐な花を付けていました。
これらの花たちは、全部白です。媒介する昆虫が蛾なので、弱い光の中でも見つけられるように、花は全部白いのです。
トレッキングした後は、ホテルに戻ります。
ホテルの近くには、色とりどりのルピナスが綺麗です。でも、このルピナスたちは外来種ですので、花が終わると薬品をかけられて、駆除されるそうです。
翌日は、バスでテカポ湖に向かいます。車窓から、河原や崖にエニシダの黄色い花が見えます。非常に美しいのですが、このエニシダを駆除するために、多くの予算が投じられているそうです。
テカポ湖は綺麗です。ロックフラワーと呼ばれる氷河に削られた岩の粉が漂い、光を散乱するので、湖がターコイズブルーに見えます。
くっきりとしたブルーの湖を縁取るように、湖畔にはルピナスが色とりどりの花を開いていて、多くの観光客が写真を撮っています。
そして「秘密の花園」として教えて貰った所では、人間の背丈ほどもあるようなルピナスが、密に群生していて、現実の世界とは思えないほど、華やかです。このあたりのルピナスは、駆除の対象ではないようです。
美しくて観光の魅力になっているルピナスですが、どんどん繁殖していくと、あの谷に咲く可憐な白い花たちが駆逐されてしまうのでしょうね。
「自然を守る」「固有の植物を大切に」は、なかなか厳しい意味を持っています。人がどのように手を加えて、どの自然を守るかを選択していかなくてはいけません。そして、それがまた、結果としてどんな影響を与えるか、未知の部分もあるでしょう。
豊かなニュージーランドの自然を楽しみながら、色々考えてしまいました。
ページトップへ