2016年10月(October)

10月になりました。10月8日は寒露です。まだ「寒」はぴったりきませんが、空は秋の空に変わってきています。だんだん大気の状態が安定して、空気が澄んだ日が多くなるそうです。
 ミズヒキソウ(タデ科)
インド原産の多年草です。別名ミズヒキ。細く真っ直ぐに伸びた花穂に米粒大の小花(実は萼)を疎らに付けます。 地味な花であまり目立ちません。 花被片が4つに深裂し、上3つは赤く、下1つは白いので、祝儀袋に掛かっている赤白の水引に例えられこの名がつきました。白花はギンミズヒキ(銀水引)と呼ばれます。
プチロータス・ジョーイ(ヒユ科)
オーストラリア原産。ブラシのようなふわふわしたローズピンクの花を咲かせます。花期が大変に長いので長く楽しめます。寒さにはやや弱めですが高温乾燥には強いです。沢山咲き乱れる様子はとても優雅で、まとめて植えると幻想的な雰囲気になります。仲間のトールムラムラはオーストラリアでは「リラックスして人と付き合える」効果があるとされています。
クリソセファラム・スマイリープー(キク科)
オーストラリア原産のクリセソファラム属の耐寒性多年草(常緑低木)です。草丈は50~60cmで葉色はシルバーです。早春~晩秋に黄色の丸くて可愛い花を長く咲き続けるので切り戻しを繰り返せば、何度でもフレッシュな葉と花が楽しめます。丈夫ですが乾燥を好み高温多湿を嫌います。別名イエローボタン。英名はCommon Everlastingです。(丈夫でずっと咲き続けるからでしょうか?)
コムラサキシキブ(クマツヅラ科)
日本原産の落葉低木です。6~7月に淡紫色の小さな花を咲かせ、9~11月に3mmくらいの紫色の果実が熟します。ムラサキシキブは枝垂れず実が疎らに付くのに対し、コムラサキシキブは枝垂れて実がびっしりと固まってつきます。コムラサキ・コシキブ(小式部内侍にちなみます)とも呼ばれ、江戸時代にはミムラサキ(実紫)として流通していました。英名はJapanese beauty berryです。
ビバーナム(スイカズラ科)
東アジア、南ヨーロッパ原産です。常緑なので常緑ガマズミ(ガマズミは落葉樹)、またセイヨウガマズミ、西洋テマリカンボクなどの別名もあります。春に白や淡いピンク色の小さな花が集まって咲きます。初めは赤色、熟すと光沢のある美しい青色になります。とても丈夫で耐寒性、耐暑性、日照不足にも強いです。
三月の花の頃の画像です。→
ガマズミ(スイカズラ科)
日本・朝鮮半島・中国原産の落葉低木です。同じガマズミ属のオオデマリ(花が大きくて立派)やチョウジカマズミ(花が可愛く香りがよい)などに較べて庭木としてはあまり使われません。5月頃に独特の臭いの白い小花がかたまって咲きます。秋に赤く熟す実が美しく、果実はそのまま生食したり、果実酒、漬け物の着色や衣料の染色に利用されます。
    サナギの時
 あまだまだ、日中は蒸し暑い日もありますが、それでも少しずつ秋は近づいています。ひんやりと爽やかな日々が来るのも、そう遠くないと思います。
最近私は、ちょっと足を延ばして、遠くの緑道を散歩するようにしています。今まで知らなかった雰囲気のいい道が、幾つかあります。
この季節は、夏の名残と秋の訪れが混在しています。
まだ百日紅の花が綺麗に咲いている一方、ヒガンバナ達が傷一つなく艶やかに咲いています。足元にはクヌギ・カシのドングリが散らばっていて、まだほんのりですが、キンモクセイの香りもします。
先日、玄関脇の塀に緑色のサナギを見つけました。 風雨にまともに晒される場所なので、小さく塀に張り付いた姿が、危なっかしくて、健気で、毎日ハラハラと見守っています。
サナギを見ると、思いだす事があります。
我が子が思春期の頃でした。
子どもは、思うように前に進めず、戸惑い、立ち止まっていて、そんな自分自身に不安やイライラを感じているようでした。
親は「壁を作っていて、何を考えているかわからない。」「寝てばかりいる。」と、我が子に不安やイライラを感じていました。
そんな時に友人から、河合隼雄さんの言葉を教えて貰ったのです。
「思春期とは、サナギの時期。サナギは硬い殻に包まれて動かない。でも、いもむしが蝶になるためには硬い殻の中でサナギの時代を過ごさねばならない。人間にも、サナギの時期が必要。」そんな内容でした。
この言葉で、親も子もとても楽になりました。
何かにつけて 「今はサナギ」「今はサナギ」と唱えて、心穏やかに過ごすことができるようになりました。
あれから、長い年月が経ちました。
子どもたちは、それなりにちゃんと大人になりました。
今振り返っても、やはりサナギの時期は、とても大切だったと思います。
塀のサナギを見ていたら、もやもやとした持って行き場のない閉塞感に悩んでいたあの頃の事を、ふと思い出したのでした。
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