2016年8月(August)

8月になりました。二十四節気を三つに分けた七十二候では、8月7~12日頃は「涼風至(りょうふういたる)」で、涼しい風が立ち始める頃とされています。厳しい暑さの中、少しでも涼風を探して凌ぎたいものです。
ヒマワリ(キク科)
テキサスやカリフォルニア原産地で野生のものは60種ほどです。英名はサンフラワー和名は向日葵(ヒマワリ)日輪草(ニチリンソウ)で、どの名前も太陽に由来します。暑さに強いのですが、葉が大きく水分の蒸散が激しいので乾燥には弱いです。コロンブスがヨーロッパに持ち込みました。意外ですがロシアの国花です。昔ロシアでは正教会はほとんどの油脂食品を禁止リストに載せていて、リストに含まれていなかったひまわりが食用やオイルとして広まり国花になりました。写真は矮性種です。
ミツバハマゴウ・プルプレア(シソ科クマツヅラ科に分類されることもあります。)
日本の九州、沖縄~朝鮮半島、中国、オース トラリアと広く自生するミツバハマゴウの銅葉改良種 です。セイヨウニンジンボクと同じハマゴウ属の仲間で 銅葉ニンジンボク、ニンジンボク・プルプレア、時にはセイヨウニンジンボク・プルプレアの名で流通しますが、葉や木の姿はセイヨウニンジンボク とは全く異なり、生育もゆっくりです。 葉は表が緑で裏が紫がかります。寒くなると紫が濃くなり、コントラストがキレイです。 実は鎮痛・風邪・中耳炎の漢方薬になります。
 ハマユウ(ヒガンバナ科ユリ科に分類されるとこもあります。)
東南アジア原産で種子が黒潮に乗って日本の海岸に漂着したものとみられています。花はコウゾなどの樹皮を細く裂いて作った神事で用いられる白い布(ゆふ)と似ています。肉厚で長いオモト(万年青)に似ているのでハマオモトとも呼ばれます。水はけが良く日あたりの良い場所を好み、主に温暖な海浜で見られます。宮崎県の県花です。花言葉は「諦めない気持ち」
ポーチュラカ(スベリヒユ科)
南アメリカ原産。別名ハナスベリヒユで、黄色の小さな花をつける雑草のスベリヒユに葉や茎の姿がよく似ています。肉厚の葉には水分が蓄えられ夏の炎天下でもめげずに生長します。毎年初夏~秋に、朝開き夕方前にしぼむ1日花ですが、次々と新しい花を咲かせます。タネがつきにくい品種が多く、さし木でふやされた苗が出回っています。花言葉は「無邪気」「元気」「自然を愛する」です。
ハイビスカス(ヒビスカス)(アオイ科)
熱帯アジア原産です。古代エジプトの女神ヒビスよりこの名がつきました。日本には仏桑花(ぶっそうげ)の名で伝わりました。ハワイの州花で摘んでもしおれにくいため耳に飾ります。飲料、マッサージ、染物などにも使われます。夏の花のイメージが強いですが、夏の直射日光に弱く、また日本の夏は夜の気温も高いので、花が小さくなったり、咲かなかったりします。花がたくさん咲くのは春と秋です。
トウガラシ(ナス科)
熱帯アメリカ原産です。2000年以上前から栽培され、コロンブスがスペインに伝えたそうです。観賞用のトウガラシは江戸時代には既にあったとされています。ゴシキトウガラシという品種群はひとつの株で色づき具合の異なる果実が美しいコントラストを演出し、淡い黄色から徐々に真っ赤に色づいていき長く楽しめます。初夏~初秋に咲く白い花は小さく目立たず、葉は濃緑で実との対比が鮮やかです。
    緑の効用
 あ暑い日が続きます。朝早くから蝉の声が響きます。植物たちも、ちょっと夏バテ気味のようです。早朝のほんのわずかな涼しい空気に、秋の訪れを思い描いて、何とか厳しい季節を耐えたいものです。
さて、私は先日、10日ほどだけですが、入院していました。(もう大丈夫ですよ。)自宅を離れるもの嫌でしたし、泉北の豊かな自然から切り離されてしまうようで、入院は気が重かったです。
でも、最近は病院といっても、多くの自然や植物を取り入れた設計になっています。
私の入院した病院も、坪庭や空中庭園があり、それらが大きなガラスを通して、ゆっくりと眺められるようになっていました。
屋上庭園には出ることもできましたので、時々散歩しました。木で作られたくねくねした遊歩道の傍には、ローズマリー、セージ、タイム、ラベンダー、ワイルドストロベリー、ブルーベリーが植えられていて、ほんのりハーブの香りが漂っています。地面には黒い自動潅水のチューブがめぐらされていて、所々にシマトネリコ、サルスベリ、遠くには公園の緑が広がっています。
健康な時も、植物は元気を与えてくれる存在ですが、 病気の時はいっそう色んなものを与えてくれる気がします。
病院というのは、どんなに居心地がいいように工夫してあっても、どんなにスタッフが細やかに気遣ってくれていても、どうしても心のどこかに緊張があり、リラックスできない所があります。そんな心のこわばった部分を、植物たちは優しくほぐしてくれます。リラックスできると、副交感神経が優位になって、NK細胞が活性化するそうです。
最近、医学がどんどん進歩して、昔なら治らなかったような病気も治るようになってきました。でも、すべてを医学で治せるかというとそうでもなくて、内なる自然治癒力・強い意志の力はとても大切です。
人間の体は上手くできていて、変化に対して、絶妙のバランスを取ります。このバランスが上手く取れなくなったのが病気です。病気になって、入院した人達に対して、植物たちはきっと、人間たちが感じている以上にいっぱい働きかけ、内なる治癒力を大いに引き出していると思います。
屋上庭園を、風に吹かれて散歩しながら、そんな事を考えていました。
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