2016年2月(February)


2月になりました。2月は、をぐさおひつき(小草生月)とも呼ばれるそうです。冬枯れの地面に、少しずつ緑が芽生える映像が目に浮かびますね。エコ・ワークスの植物たちは、時折やってくる寒さに耐えながら、ゆっくり春を待っています。
  ネメシア(ゴマノハグサ科)
南アフリカ原産。すっきりと立ち上がった草姿に、人目を惹くシックな大きな花が魅力です。花のピークが過ぎれば上部を切り戻すとまた花芽が付いて咲き出します。剛健で耐寒性もあります。写真は栄養系またはクローンと呼ばれ、挿し木、挿し芽で繁殖されます。親株とまったく同じ性質の子株を安定してたくさん作れます。花言葉は「包容」「偽りのない心」「過去の思い出」

スズランエリカ(ツツジ科)
南アフリカ原産。低木性で高さは60センチほどになります。清楚な雰囲気の真っ白の小さな花が枝先に三つ咲きますが、枝の分岐が多いので、びっしりと華やかです。花形が扁平な壺型でスズランを思わせるためこの名がつきました。耐寒性があり、冬は戸外で管理します。霜に当たると傷みますので、冬は軒下で管理が必要です。乾燥・過湿ともに弱いので、水遣りには注意が必要です。 花言葉は「幸せな愛を」
プリムラ ポリアンタ(サクラソウ科)
17世紀末にイギリスでヨーロッパ原産のサクラソウを品種改良してできました。半耐寒性多年草で、茎が短く地面の傍で大きな花を咲かせます。和名はクリンザクラです。花が少ない時期にポップな色彩の花を咲かせます。プリムラの名の由来は、愛らしい花を「プリマドンナ」にたとえたといわれます。写真は花びらに縞模様が入った「ブルーストライプ」と呼ばれる品種です。花言葉は「無言の愛」「富貴」「神秘な心」
  ルピナス(マメ科)
北アメリカ西部を中心に、南アメリカ、南アフリカ、地中海沿岸に分布します。一年草、二年草、毎年花を咲かせる多年草、低木になる種があります。葉は手のひらのような形で、春~初夏に花穂を長く伸ばして蝶型の花をたくさん咲かせます。その花姿からノボリフジ(昇り藤)の別名があります。やせた土地にもどんどん増殖し、緑肥として使われていた時もあります。ルピナスの名はオオカミに由来します。吸肥力が非常に強い特徴を貪欲な狼にたとえたようです。

ロウバイ(ロウバイ科)
中国原産の落葉低木で、花の少ない真冬に開花します。透き通るような光沢のある花びらと芳香が特徴的です。日本には江戸時代に入ってきました。名前は中国名「臘梅(ラーメイ)」の日本語読み・質感がろう細工のよう・臘月(陰暦の12月)に花が咲くからなど諸説あります。古名はカラウメ(唐梅)、英名はwinter sweetです。写真はソシンロウバイでロウバイの園芸品種、花全体が黄色です。詳しくは「Drカーバチの虫眼鏡」をご覧下さい。
プリムラ・マラコイデス(サクラソウ科)
中国の雲南省原産の一年草です。サクラソウの名前でも流通しますが、従来のサクラソウ(日本サクラソウ)とは別種です。プリミンという化合物が含まれておりかぶれることがあります。写真は最近開発された園芸種です。プリムラの多くはくっきりとした色合いですが、写真の品種はアンティークな優しい色調です。ピンクからイエローグリーンへと移ろうグラデーションが楽しめます。花持ちが良く(普通のサクラソウの三倍)多くの花穂が出て、花数も多く、ふんわりと咲きあふれます。

  春はまだ遠く
 あ今年は暖冬だと油断していましたが、時々厳しい寒さがやってきます。季節は行きつ戻りつしながら、ゆっくりと春になっていくのでしょうね。雪やみぞれが降ったり、寒い日が続くと、本当に春が待ち遠しいです。
私は先日、法事で山陰に行ってきました。ちょうど三十年に一度の寒波と予報が出ていた頃です。
時々行くだけで、住んでいる方に較べれば小さな苦労なのでしょうが、山陰の雪にはいつも緊張します。雪に閉じ込められ停電した家で過ごした記憶や、道路が閉鎖され膝までの雪の中を歩いた記憶が蘇ります。でも、行かないわけにはいきません。悲壮な決意のもとに出かけました。
始めは穏やかでした。青空の中国自動車道は快適です。ところが、米子自動車道に入り、長いトンネルを抜けたら、景色は一変します。そこはもう、雪国そのものでした。あたりは暗くなり、雪が風に舞い、道こそ黒っぽいものの、周りは全部真っ白です。
時々、凍結防止剤散布車がバラバラっと粒状のものを播き、三台の除雪車が隊列を組んで進むのを見かけます。頼もしいです。まるで、国際救助隊が私たちを助けてくれるようです。「タンタタタ~~ン タタタッタ」とサンダーバードのテーマ曲が鳴り響くようです。それでも、私たちが通った三時間後は閉鎖されたそうです。サンダーバードも、自然の脅威には敵わなかったようです。
帰りは運よく、高速道路は閉鎖されていませんでした。でも、道は真っ白です。アスファルトの黒い部分が見えないだけでなく、ラインもガードレールも標識もよく見えません。この時も、何度も隊列を組んだ三台の除雪車を見かけました。
雪の山陰に行くと、私の日頃の自然観を、薄っぺらなものに感じてしまいます。自然は常に「人を癒し」「人を慈しむ」存在ではありません。圧倒的な強さで人を威圧し、翻弄し、時には命の危険さえ覚えるほど不安にさせます。
そんな厳しい冬を過ごすから、春が来た時の喜びは
、いっそう大きなものなのでしょう。山陰の春は美しいです。空の色が日に日に明るくなり、雪を頂いた大山は光を浴びて輝きます。ダンコウバイ、マンサクなどの春を告げる花が咲き、ブナの原生林は芽吹きます。 そんな光景を想像していると、ますます春が待ち遠しくなってきました。
ページトップへ