あ今年は涼しくなるのが早かったせいか、秋が長く楽しめるような気がします。晴天の日も多く、行きつ戻りつしながらゆっくりと深まっていく秋を存分に味わう日々です。ハナミズキはもう紅葉した葉を落とし始め、ケヤキ並木は緑~オレンジ~赤と様々なグラデーションが美しいです。
あ幼いころからの素朴な疑問なのですが、紅葉って何のためにあんなに美しいのでしょうね?花なら虫を呼ぶために美しく咲きます。ほとんど誰の目にも触れない山奥で、美しい紅葉を見ると時々この疑問が浮かびます。
あ
あ前に書きましたが、私の子どもはオーストラリアで働いています。 大らかで仲のいい職場ですが、そこでは誰かがちょっとひけらかすような発言をすると、「snob」という言葉が飛んできて、からかわれるそうです。虚栄心を嫌うお国柄のようです。
あ調べてみると、フランスでは「snob」という言葉は、「ちょっと虚栄心を含んだこだわりのあるエレガンス」と、肯定的な意味で使われるようです。これもお国柄ですね。「snob」の語源はラテン語の「貴族にあらず」から来ているらしいので、どちらにしろ、素ではない自分を演出している意味でしょう。
あ私は小学生の時、教室で座高の高いのが目立つのが嫌で、くにゅっと変な座り方をしていました。(きっと、かえって奇妙で目立ったと思います。)年を重ねて、随分人目が気にならなくなった今でも、出かけるときは、少しでも若く見えるようジタバタします。
足が痛くてもハイヒールを履く若い女性も、悩みを抱えながらも明るくふるまう高校生も、くたびれた中年サラリーマンも、きっと、人目を気にし、カッコつけて、無理をし続けるのでしょう。
あ誰にも評価されないのに、静かに美しく紅葉する木々は、悠然として立派です。でも、色んな評価にとらわれつつ、あくせく無理する俗世の人間たちも、また愛すべき存在に思えます。 |