2015年11月(November)

 11月になりました。木々が鮮やかに色づいてきています。「紅葉狩り」といいますが、「狩る」という言葉には「草花を眺める」意味もあるそうです。爽やかで心が躍る季節ですね。
チョコレートコスモス(キク科)
メキシコ原産の多年草。チョコレートに似た香りと落ち着いた花色で人気があります。高温多湿に弱い原種(コスモス・アトロサンギネウス)のほか、育てやすいキバナコスモスとの交配種が出回っていて、春~秋に咲く物と、秋に一斉に咲く物があります。野生種は絶滅したともいわれています。原種、交配種ともにタネがとれないので、さし芽や分球でふやします。花言葉は「恋の終わり」「恋の思い出」「移り変わらぬ気持ち」
コバルトセージ(サルビアレプタンス) (シソ科)
北米原産の 宿根性の多年草です。コバルトセージは流通名で正確な名前はサルビア・レプタンス(レプタンスは匍匐の意味ですがその立性種)です。花は小さいですが濃淡のあるコバルトブルーの色彩は鮮やかです。乾燥した草原に生え、高さは50~100cmになります。茎は細くて硬いです。育てやすく、こぼれ種や挿し木でも増えます。花言葉は「燃ゆる想い」「知恵」「家庭の徳」「尊敬」
ヘミグラフィス・エキゾティカ(キツネノマゴ科)
マレーシア原産の匍匐性常緑多年草です。レッドアイビーとの別名があります。葉が大きく凹凸し葉表は灰緑色~暗褐色、葉裏は暗紫赤色で金属のような光沢があります。淡い紫色の小さな花が付きます。暑さに非常に強く日照が強いほど鮮やかな葉色になりますが、半日陰でも生育可能です。熱帯地方でグランドカバーとして使われるシソモドキの園芸品種です。沖縄宮古島のミヤコジマソウはこの仲間です。花言葉は「儚い命の美しさ」
ストロビランテス・ダイエリアヌス(キツネノマゴ科)
ミヤンマー原産の常緑性低木です。紅紫色がかった葉で葉脈に沿ってくっきりと緑色が入ります。葉全体はうっすらと銀色でコーティングされたような感じで、光が当たると表面が鈍く光り、金属のような不思議な質感を帯びます。大きくなると高さは1mを越します。和名のウラムラサキの名前が示すとおり、葉の裏は暗い紫色をしています。秋に筒状の紫花を咲かせますが、どちらかというと美しい葉を楽しみます。
バロータ・プセウドディクタムナス(シソ科)
ギリシャクレタ島、トルコ原産の多年草です。ハーブのホアハウンドの仲間で、白い羽毛のような毛が葉にはえたふわふわのシルバーリーフです。草丈は10~50cmくらいで、暑さ寒さに強く常緑で越冬します。ピンクの小さな花がタワー状に咲き花が終わるとガクの部分がフェールトで作った花の様で可愛いです。指で葉を擦ると甘い香りがします。
ハゴロモジャスミン フィオナサンライズ(モクセイ科)
つる性の半耐寒性の常緑低木で、春にはオレンジ色、夏にはライムグリーン、秋には黄色ゴールドと長く葉の色の移り変わりを楽しめめます。初夏~秋に咲く甘い香りの白い花も魅力です。育てやすく初心者にもおすすめです。香り高い花は、お茶にしたりお風呂に入れたり、また鉢植えを室内において芳香剤がわりに利用できます。花から採取するエッセンシャル・オイルには、抗うつの効果があるともいわれます。
  SNOB(スノッブ)
今年は涼しくなるのが早かったせいか、秋が長く楽しめるような気がします。晴天の日も多く、行きつ戻りつしながらゆっくりと深まっていく秋を存分に味わう日々です。ハナミズキはもう紅葉した葉を落とし始め、ケヤキ並木は緑~オレンジ~赤と様々なグラデーションが美しいです。
幼いころからの素朴な疑問なのですが、紅葉って何のためにあんなに美しいのでしょうね?花なら虫を呼ぶために美しく咲きます。ほとんど誰の目にも触れない山奥で、美しい紅葉を見ると時々この疑問が浮かびます。

前に書きました
、私の子どもはオーストラリアで働いています。 大らかで仲のいい職場ですが、そこでは誰かがちょっとひけらかすような発言をすると、「snob」という言葉が飛んできて、からかわれるそうです。虚栄心を嫌うお国柄のようです。
調べてみると、フランスでは「snob」という言葉は、「ちょっと虚栄心を含んだこだわりのあるエレガンス」と、肯定的な意味で使われるようです。これもお国柄ですね。「snob」の語源はラテン語の「貴族にあらず」から来ているらしいので、どちらにしろ、素ではない自分を演出している意味でしょう。
私は小学生の時、教室で座高の高いのが目立つのが嫌で、くにゅっと変な座り方をしていました。(きっと、かえって奇妙で目立ったと思います。)年を重ねて、随分人目が気にならなくなった今でも、出かけるときは、少しでも若く見えるようジタバタします。
足が痛くてもハイヒールを履く若い女性も、悩みを抱えながらも明るくふるまう高校生も、くたびれた中年サラリーマンも、きっと、人目を気にし、カッコつけて、無理をし続けるのでしょう。
誰にも評価されないのに、静かに美しく紅葉する木々は、悠然として立派です。でも、色んな評価にとらわれつつ、あくせく無理する俗世の人間たちも、また愛すべき存在に思えます。
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