まだまだ暑い日もありますが、朝夕や、日陰ではひんやりした空気を感じます。今日、あぜ道を散歩していると、まだ直立しているイネの穂に粗く白い粉がかかったようになっていました。花が咲いていたのです。秋は近づいていますね。
この時期になると病気だった11年前を思い出します。秋が訪れているのに、病院を出る事ができない私は、季節に置き去りにされるような不安な気持ちでした。退院してからも、様々な不安は続き、霧の中を一人でさまよっているような心細さを抱えていました。
そんな頃、偶然同じ病気の人たちとネットで知り合い、親しく交流する事になりました。同じ立ち位置の人間というのは、実に分り合えます。
「そうそう!」「私も!」「分かる!分かる!」
パソコンに向かって、そんな言葉を何度口にした事でしょう。朝、パソコンを立ち上げて、「ネットの中の戦友たち」からのメッセージを読むのが大きな楽しみであり、癒しでした。
もちろん、家族・友人のさりげない細やかな心遣いは、本当に嬉しかったし、支えられました。でも、顔も名前もろくに知らない人たちからの、「そうそう!」「私も!」は、無条件で心強かったのでした。
あれから年月は流れ、あんなに大切に思っていた「ネットの中の戦友たち」との関係も、随分薄い物になってきました。でも、秋のひんやりとした風を感じると、病気だった頃の事、共感し合えてた仲間の事を思いだします。
最近、身近な人が辛い状態の時に、どのように思いを伝えるのがいいのか?をよく考えます。「そうそう!」「私も!」 が言えない時には、難しくて、なかなか答えは見つかりません。
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