2015年9月(September)


 9月になりました。雑節という日本独自の暦日によると、9月1日は「二百十日」、9月11日は「二百二十日」です。今のように台風の予測ができなかった昔、人々はこの日を恐れて警戒し、風を鎮める祭りを行って収穫の無事を祈ったそうです。
クリナム(ヒガンバナ科)
熱帯~亜熱帯に分布する大型の球根植物です。日本の海岸に自生するハマユウも仲間です。幅広い剣状葉を螺旋状につけ,太い花茎を伸ばしその先端に数輪の花を咲かせます。花びらは6枚で付け根の部分でくっついています。花色は白やピンクで、夜間に芳香を放ちます。名前はギリシア語の「クリノン」(ユリ)から来ています。種が海に流されて世界中に広まったといわれています。種は海水の中では浮きますが、真水ではすぐに水を吸って定着し根をおろします。花言葉は「快楽」
レウコフィルム・フルテスケンス(ゴマノハグサ科)
メキシコ~テキサスの乾燥地原産です。春~秋に開花し暑さにも寒さにも強いです。短毛に覆われ銀白色に見える葉と紫桃色の花のコントラストが美しいです。ギリシア語のleuco(白)とphyllum(葉)からこの名がつきました。英名はTexas sage。タイ語のニーオンの名でも流通しています。日当たりのいいところで乾燥気味に育てると、よく分枝し多くの花をつけます。花言葉は「敬慕」
べゴニア(シュウカイドウ科)
ベゴニアとはベゴニア属に含まれる植物の総称です。熱帯~亜熱帯地方の原種を交配し、多くの種や品種がつくられたため、性質は多様です。共通する特徴は、葉の形が左右非対称でややゆがんだ形なこと、花が雌雄別なことなどです。写真はころころとした小さな可愛い八重の花が咲く園芸種です。とても丈夫で花期も長いです。花言葉は「親切」「片思い」
デュランタ(クマツヅラ科) 
熱帯アメリカ原産の常緑性の低木で、その名は植物学者のデュランテスに由来しています。別名ハリマツリ・タイワンレンギョウ。しだれて伸びる枝先に多くの花をつけます。紫色の花が咲く「タカラヅカ」がメジャーですが、写真の白い花が咲く「アルバ」も清楚で魅力的です。白にだけに刺があります。春~秋が開花期で、花後にオレンジ色の実がたくさんつきます。沖縄では生垣にも使用されるそうです。花言葉は「あなたを見守る」
アルテルナンテラ(ヒユ科)
西インド諸島~ブラジル原産。別名アカバセンニチコウですが、センニチコウの仲間ではありません。冬、室内に取り込むと、センニチコウによく似た形の白い花が咲きます。暑さにも多湿にも強いですが、寒さは苦手です。秋になると、葉が鮮かな赤紫色になります。花言葉は「熱すると冷める恋」「変わらぬ愛」「不老長寿」「燃え上がった情熱」。変化する葉の色と長く咲き続ける花で相反する意味の花言葉になったのでしょうね。
 ニシキササ(オプリスメヌス・ヒルテルス) (イネ科)
熱帯原産の多年草です。細い茎は地を這うように数10cm(最大1m)くらい伸び、土に接した節から根が出て広がり、こんもりと茂ります。写真は園芸品種のバリエガタ(斑入り)で、ピンク、赤、白の縞模様の葉が美しく涼しげなので、寄せ植えやハンギングバスケット、リースなどによく使われます。日当たりを好みますが、真夏の直射日光と冬の寒さは苦手です。特別な管理はいらないので育てやすいです。
            ネットの中の戦友たち

   まだまだ暑い日もありますが、朝夕や、日陰ではひんやりした空気を感じます。今日、あぜ道を散歩していると、まだ直立しているイネの穂に粗く白い粉がかかったようになっていました。花が咲いていたのです。秋は近づいていますね。
 この時期になると病気だった11年前を思い出します。秋が訪れているのに、病院を出る事ができない私は、季節に置き去りにされるような不安な気持ちでした。退院してからも、様々な不安は続き、霧の中を一人でさまよっているような心細さを抱えていました。

 そんな頃、偶然同じ病気の人たちとネットで知り合い、親しく交流する事になりました。同じ立ち位置の人間というのは、実に分り合えます。
「そうそう!」「私も!」「分かる!分かる!」
パソコンに向かって、そんな言葉を何度口にした事でしょう。朝、パソコンを立ち上げて、「ネットの中の戦友たち」からのメッセージを読むのが大きな楽しみであり、癒しでした。
もちろん、家族・友人のさりげない細やかな心遣いは、本当に嬉しかったし、支えられました。でも、顔も名前もろくに知らない人たちからの、「そうそう!」「私も!」は、無条件で心強かったのでした。
 あれから年月は流れ、あんなに大切に思っていた「ネットの中の戦友たち」との関係も、随分薄い物になってきました。でも、秋のひんやりとした風を感じると、病気だった頃の事、共感し合えてた仲間の事を思いだします。
 最近、身近な人が辛い状態の時に、どのように思いを伝えるのがいいのか?をよく考えます。「そうそう!」「私も!」 が言えない時には、難しくて、なかなか答えは見つかりません。

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