2015年8月(August)


 8月になりました。花火・夏祭り・スイカ・かき氷の季節です。楽しそうな事で何とか厳しい暑さを乗り越えたいものです。この時期の季語に「夏深し」があります。昔の人は「深し」に「終わり」の思いを添えて、秋の気配を待ち望んだそうです
ヘリオプシス(キク科)
北アメリカ原産の多年草です。ヘリオプシスとはギリシア語で太陽の花という意味です。「宿根ヒメヒマワリ」「キクイモモドキ」とも呼ばれます。本来大形になるヒマワリを改良して小さくしたもので、非常に丈夫で病虫害もありません。花は直径5~8センチで一重咲きと八重咲きがあります。茎や葉に短い固い毛が生え触るとざらざらします。花期は長く6~10月です。外側の黄色い花びらをつけた舌状花、内側の花びらのない筒状花の集まりです。花言葉は「あこがれ」「崇拝」
サルビア・グアラニティカ  (シソ科)
南米原産で、耐寒性・耐暑性ともに強い植物です。初夏~晩秋にかけて、ヘビが口を開けたような形の青紫色の花を咲かせます。萼が黒いのが特徴です。セージの仲間なので香りがあり、茎に触るとネバネバします。サルビア はラテン語の「salvare(治療)」に由来し(薬用になるものが多いから)グアラニティカ は「(パラグアイの先住民族)グアラニ族の」に由来します。日本では「メドーセージ」の名で流通していますが、これは本来サルビア・プラテンシスをさします。
ディアネラ・タスマニカ(ワスレグサ科ユリ科・ツルボラン科に分類される場合もあります。
オーストラリアのビクトリア州やタスマニア島が原産です。白いストライプが入る葉の様子からタスマニアシャガともよばれています。英名はフラックスリリー。日本で自生しているキキョウランの仲間です。ディアネラの名はローマ神話に登場する狩りの女神に由来します。7-8月に小さな星型の花をつけ、ツヤツヤした紫青色の実がなります。ヴァリエガタ(斑入り)の葉がすっきりと美しく、グランドカバーやフラワーアレンジメントにも使われます。
インパチェンス(ツリフネソウ科)
東アフリカ~熱帯アフリカ原産。アフリカからヨーロッパに紹介され改良が進み、多くの園芸品種が生み出されました。1日2~3時間程度の日照でも可憐な花が咲き続け、花期も長く6~10月です。属名のImpatiensは、ラテン語のimpatient(不忍耐・我慢できない)、熟した種に触れるとすぐに弾けることに由来します。花言葉もこの性質より「短気」です。英名は毎日忙しげに咲き続けるから「Busy lizzy」、和名は原産地とホウセンカの仲間であることからアフリカホウセンカです。
サンビタリア(キク科)
グアテマラ~メキシコ原産。サンビタリアの名は人名に由来します。這うように広がっていき、細かく枝分かれして茂ります。茎や葉には短い毛が生えていて、触るとざらざらした感触です。夏~秋に開花し、花は黄色やオレンジで中心部分が黒褐色になります。(写真は花の中心部分が緑色になる「アイリッシュ・アイ」です。)花の大きさは径2cmほどで、ひまわりをそのまま小さくしたような姿です。暑さ・乾燥に強く、肥料も少なくても大丈夫ですが、多湿に弱いです。
 ニチニチソウ(ビンカ)    (キョウチクトウ科)
マダガスカル~インド原産。大気汚染にも強いので、道路沿いの花壇でも活躍しています。種々のアルカロイドを含み、薬用植物としても知られています。花びらは5枚に見えますが根元が筒状で先が大きく5つに裂けています。花は短命ですが、盛りの時期には毎日新しい花を咲かせるところから、ニチニチソウ(日々草)とよばれます。以前はビンカ属に分類されていたので、「ビンカ」と呼ばれることもあります。高温には強いのですが病気になりやすい欠点があります。写真は多湿でも病気になりにくいように改良された品種です。
 
役に立たない時間

   一番暑い季節になりました。この時期になると、「自然とともに生きる」などの綺麗事は言ってられなくなります。なりふりかまわず、厳しい毎日をやり過ごしています。
 そんな日々の中にも、とてもささやかですが至福の時間があります。早朝の目覚めの少しの時間だけ、寝ころんだまま空を眺める事です。我が家は軒や庇がほとんどないので、カーテンを開けるととても広い空があります。鳥の声、虫の音を聞きながら、うす青い空を眺めながら、まどろみます。窓から吹き込む朝の風は、まだひんやりしていて、うすい雲がゆっくり流れていきます。何もせず、何も考えず、夢なのか現実なのか区別のつかないぼんやりした状態で、ただ空を眺めます。貴重な朝の時間をこんな風に過ごすのは、とても無駄で、とても悪い事で、その分とても贅沢な気がします。
私は幼い頃から、”何かをぼ~~っと見ている事” が好きでした。蛇口から出る水、夕立の雨粒、ありの行列・・・飽きることなくいつまでも見ていました。 一番好きだったのは、近所の川でした。夏休みには川べりで、ただじっと川を見ていました。ゆるい流れにクロモがゆらゆらして、メダカが隊列を組んでいます。ときどきカエルやザリガニが現れて波が立ち、キラキラと水面が揺れます。私の心は現実から離れて、水の中にいたのかもしれません。
もちろん、「時間を無駄にせず、勉強やお手伝いをするべき!」と思っている母からは、いつも叱られていました。(ほとんどの親がそうするでしょうね。)でも、何も有意義な事をせずに、無意味に時間を費やすのは、いけない事だけどその分とても贅沢で魅力的に感じられました。
夏休みになりました。今の子どもたちはどんなふうに過ごしているのでしょう?あちこち出かけ、様々な体験をいっぱいするのは、もちろん素晴らしい事です。 でも、普段は忙しくてできない、大きくなったらもっとできない、ぼ~~っと何もしない、役に立たない時間を過ごすのも、結構素敵な事ではないかと思います。人生の折り返し地点を過ぎて、本当に大切な物はそう多くない事に気がついた今になると、特にそう思います。

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