2015年4月(April)

 4月になりました。4月5日は清明です。清明とは「清浄明潔」の略で、万物がけがれなく清らかで生き生きしているという意味です。花が咲き、爽やかな風が吹き、自然が春の息吹を謳歌する時期ですね。
スイセン (ヒガンバナ科)
古来より日本で野生化しているニホンスイセンに対して、写真のような海外の園芸品種などを総称してセイヨウスイセンと呼びます。地中海沿岸が原産で、初に発見されたのはスペインのピレネー地方だといいます。二ホンスイセンに比べて1花茎に1花だけつけ、副花冠が長く、ラッパ状になるのが特徴です。ニホンスイセンと比べて遅咲きで、3月~4月頃の暖かい時期に大きな花を咲かせます。ニホンスイセンと同様に毒性が有ります。花言葉は「あなたを待つ」「 報われぬ恋 」「尊敬」
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ヒマラヤユキノシタ(ユキノシタ科)
ヒマラヤ・中国・シベリア原産の多年草です。地面を伸びる根茎から、丸くて光沢のある大きな葉を出します。春に花茎を伸ばしその先に淡いピンクや白の花が集まって開花します。耐寒性が強く手間もかからないのでグランドカバーにも利用されます。うちわのような葉の形から「オオイワウチワ(大岩団扇)」耐寒性が高いことから「ウインター ベゴニア」とも呼ばれます。中国ではこの仲間を「岩白菜ヤンパイツァイ」と呼び、薬として利用しています。
ユキヤナギ (バラ科) 
日本~中国原産。枝に雪のような小さな白い花をつけ、葉はヤナギに似てるのでこの名が付きました。中国名は「噴雪花」で名前の通り満開時は株全体が雪をかぶったように花で埋まります。岩肌や岩の裂け目などに生える様から、昔は「岩柳」とも呼ばれたようです。強健な花なので道や庭などでよく見られますが、自生地では絶滅が危惧されているそうです。花言葉は「愛らしさ」「 静かな思い」
ビバーナム(スイカズラ科)
東アジア、南ヨーロッパ原産の常緑低木です。日本に生息している落葉樹のガマズミやオオデマリの仲間で、常緑なので常緑ガマズミという別名もあります。春に白くて小さな花を沢山付けて、秋に光沢のある青色の実を成らせます。実は始め赤色をしていますが、熟すと青色になります。とても丈夫な種類で、管理次第ではコンパクトにまとまり、日照不足にも強いので、都会の狭い庭や北側の庭にも安心して植えられます。花言葉は「茶目っ気」「誓い」「私を見て」
クリサンセマム・ムルチコーレ(キク科)
アルジェリア原産の一年草。乾燥した地域が原産ので葉はやや肉厚でヘラ状、茎はよく枝分かれして地面を這うように広がります。冬にはタンポポのようにロゼット状になり、春~初夏に花茎を伸ばして先端に3cm程の鮮やかな黄色い花を咲かせます。花びらは一重で丸く色の鮮やかさです。クリサンセマム属からコリオステフス属に変りましたが、園芸の世界ではクリサンセマム・ムルチコーレで流通しています。花言葉は「高潔」「誠実」
モモ(ハナモモ)(バラ科)
中国原産の花を観賞する目的でモモを改良した品種です。花色は赤色、ピンク色、白色。一重、八重咲きがあり、樹形は立性、枝垂れ性、ほうき立ち性、矮性などがあります。写真はテルテモモ(照手桃)です。枝が箒のように細く縦に伸びるのでホウキモモ(箒桃)とも呼ばれます。品種改良された神奈川の「照手姫伝説」のテルテからこの名が付きました。丸い蕾や花が人気です。

成長するもの 老いゆくもの
 うららかな春になりました。何気ない近所の景色も、急に魅力的なものになり、心が浮き立ちきます。
近所の学校に続く桜並木は入学式の頃、花のトンネルのようになります。やや緊張した初々しい新入生達と、満開の桜は本当によく似合っています。
私の実家にも桜の木がありました。入学や進級の折には、よくこの木の下で写真を撮ったものでした。私が学生の頃にはひょろっとした若木だったのに、もう幹がずっしりと太く貫禄ある姿になっていて、今では近所の人たちがここで写真を撮ります。
 しかし、木が立派になるにつれて、両親は老いてきました。戦後の高度成長を支えてきた世代です。ずっと弱音もはかずに、黙々と頑張ってきましたが、最近はそうもいかなくなってきたようです。父からのメールの行間に、うっすらと気弱な物が滲み出してきました。
先日思い切って、世間話のついでに、プライドを傷つけないようにそっと、父にとって何が負担かを探ってみました。今はネットスーパーもあるし、便利な電化製品も色々あります。解決方法はたくさんありそうです。
「一番大変なのは何?買い物?布団干し?料理?」と聞くと、思いもかけない答えが返ってきました。
庭の水遣りだそうです。
確かにそうです。実家は元々変形の土地で、そこにあまり計画を立てないままに多くの木を植えて、さらに増築をしたものですから、庭がとても窮屈なものになっています。狭い隙間をすり抜けて、木の枝にチクチクと刺されながら、蚊に刺されながらの水遣りはとても大変です。
私も子どもの頃、夏休みの夕方に、
この水遣りをさせられるのが、とても苦痛だったことを思い出しました。年老いてきた父にとって、木が大きくなっていっそう窮屈になった庭の水遣りは、とても苦痛だった事でしょう。
でも、この問題の解決は簡単です。
自動潅水をつけることになりました。もう父の夏の苦行はなくなる事でしょう。

親が年を取るにつれて、子どもとしてはどうふるまうかが難しいところです。
でも、とりあえずしばらくの間は、親に負担なく庭を楽しんで貰えます。 ユキヤナギ・桜に始まり、ツツジ・ハナミズキなど多くの木が、華やかに庭を彩ってくれることでしょう。何かあったらその時に思い煩うことにして、今はただ、みんなで春の美しさを愛でることに専念しますね。

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