2014年11月(November)

11月になりました。旧暦では露隠葉月(つゆごもりのはづき)ともいいます。気温が下がると、水分が霜になるので、葉に結ぶ露が姿を消してしまうからだそうです。
「輝く露が、もう見られない。
」そんな、過ぎゆく秋の切なさが感じられる呼び方ですね。
11月7日には立冬を迎え、暦の上ではもう冬になります。

クジャクソウ(キク科)
北アメリカ原産。よく分枝して株立ちし、白色から淡紫色の花をいっぱい咲かせるので、花壇や切り花によく用いられます。写真は八重咲きの物です。キダチコンギク(木立紺菊)、孔雀アスター、宿根アスターとも呼ばれます。6月頃に切り戻さないと高くなりすぎて秋に倒れてしまいます。マリーゴールドやクジャクシダやハルシャギクもクジャクソウと呼ばれる事があるようです。花言葉は 「いつも愉快」「ひとめぼれ」

ヒペリカム (オトギリソウ科)
中央アジア~地中海沿岸原産の半常緑小低木です。黄色く可愛らしい小花の後に光沢のある美しい実がたくさん付きます。Hypericumの語源はギリシャ語の「hypo(下) erice(草むら)」または、「hyper(上) eikon(像)」といわれます。 後者の場合は悪魔よけの像の上に この花が置かれていたことに 由来するらしいです。ヒペリカムといえば日本で切り花として人気が高いですが、写真の矮性種は鉢物としてだけでなく、寄せ植え材料としても楽しめます。花言葉は「きらめき」「悲しみは続かない」

トウガラシ(ナス科)
熱帯アメリカ原産です。2000年以上前から栽培され、コロンブスがスペインに伝えたことでも知られています。春にタネをまくと初夏~秋にかけて開花して実を結び、霜が降りる頃に枯れます。観賞用は果実が緑や紫、クリーム色から赤や黄、オレンジ色に変化しカラフルで形も色々で、長く楽しめます。写真は『ブラックパール』と呼ばれる園芸種で、葉も果実も黒に近い紫色です。

サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ) (シソ科)
アメリカ南部・メキシコに分布する低木性のサルビアです。近縁種のサルビア・グレッギーとまとめて、チェリーセージと呼ばれます。 大きくなると1.5mほどになり、こんもりと茂ります。茎の先端から花穂を伸ばして、初夏~秋まで長く咲き続けます。基本種の花色は鮮やかな緋色です。葉はもむと甘いサクランボのような香りを放ち、ハーブティーやポプリに利用できます。花言葉は「燃ゆる思い」「知恵」「尊重」

ナカガワノギク(キク科)
本来は徳島県の那賀川とその支流である日和佐川の河川の岩場にのみ生育し、準絶滅危惧に指定されているのですが、これは園芸種です。他のキクと比べて葉が細長く流線型です。葉の表面は短毛が生え緑色に、葉の裏面はT字状毛が生え灰白色に見えます。花言葉は「苦しい時にも笑顔で」
 蕾が可愛いピンク色です。

コキア(アカザ科)
木のように見えますが一年草です。ホウキギ・ホウキグサとも呼ばれ、昔はこの茎を乾燥させてほうきを作っていました。細かく茂る茎葉が美しく、夏に雄花と雌花のある小さな花をびっしりと付けます。秋には写真のように鮮やかに紅葉します。実は“とんぶり”と呼ばれ「畑のキャビア」として親しまれています。漢方ではこの実を「地膚子(じふし)」といい、強壮剤や利尿剤としての利用します。コキア属からバッシア属に移されましたが、現在でも旧属名のコキアの名前で呼ばれることが多いです。
    貴婦人の部屋
 秋が深まり、朝夕は寒いほどです。
鮮やかな紅葉になる前の、木々の色が日々変化するこの季節も、味わいがあります。
種類によって、全体が早々と赤くなるもの木あれば、ほとんどの葉は緑だけど、一部はほんのり赤みがかって、枝先だけは透き通るような赤といったグラデーションが美しい木もあります。この季節、泉北ニュータウンは自然の移ろいがとても身近に感じられます。

先日、若い頃にお世話になった方にお会いするために、あるケアハウスに行ってきました。
祖母が入居していたので、大体は知っていたのですが、ケアハウスというのは、清潔で、安全で、機能的に作られていますが、見ようによっては殺風景な感じもする場所です。
でも、その方の部屋に一歩入ると、そこは別世界でした。
まるで、ヨーロッパの貴婦人の部屋のようでした。
家具類もエレガントなものでしたが、シックな色合いの糸で刺繍された花々が、部屋じゅうにあふれていました。

額だけではありません。ソファーの座面も華やかな刺繍で覆われていました。
一番驚いたのは、いくつか並んでいる小さな観葉植物の鉢の下に、真っ白なレースが敷いてあった事です。
このような部屋で 生活するには、お茶を飲むのも、お菓子を食べるのも、植物に水をやるのも、丁寧に丁寧に行動しないと、たちまち薄汚れてしまいます。
その方の、貴婦人のように繊細な所作でないと、とても維持できません。

ガサツな私は、つい洗いやすい物、壊れても惜しくない安物を使いがちです。
でも、優雅な部屋の中で、貴婦人のようにひっそりと丁寧に暮しておられる姿を思い出すと、その時だけはほんの少し優雅に振る舞えそうな気がします。

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