2014年9月(September)

 九月になりました。まだまだ暑さは厳しいですが、もう白露・十五夜・お彼岸の季節です。目には見えなくても、少しずつ秋は近づいているのでしょうね。
 
センニチコウ(ヒユ科)
熱帯アメリカ原産で乾燥に強く花期が長いのでこの名がつきました。花色は、紅紫、ピンク、赤、白などがあり、花びらのように見える部分は苞です。英名のbachelor’s buttonは「独身者のボタン」という意味で、ポケットにこの花を入れて恋人に会いに行き、枯れるかどうかで恋の行方を占った(枯れなかったら恋が実る)ことにちなむそうです。花言葉は「終わりのない友情」
コンロンカ(アカネ科)
熱帯アジア、アフリカ原産の常緑性の低木です。萼片が大きく花びらのように発達するのが特長です。花は派手な萼片の添え物のようにちょこんと付き、あまり目立ちません。寒さに弱いので、日本では温室植物として扱われることが多いですが、熱帯各地では街路樹や庭木として利用されます。花色は黄色です。白く色づく萼片を崑崙山(中国西部の山)に降り積もった雪に見立てこの名が付きました。

ハナスベリヒユ(ポーチュラカ)(スベリヒユ科)
出自はあまりはっきりせず、夏の雑草スベリヒユとマツバボタンが掛け合わさった、またはタチスベリヒユの突然変異種とされています。茎は這うように伸び葉は肉厚のヘラ状です。主な開花期は初夏~秋で、色は白・ピンク・オレンジ・黄色・紫などで、2色咲きになるものもあります。朝開き夕方前にしぼむ1日花ですが、次々と新しい花を咲かせます。葉には水分が蓄えられ暑さや乾燥には非常に強いですが耐寒性はありません。花言葉は「無邪気」「元気」「自然を愛する」です。

ケイトウ(ヒユ科)
アジア、アフリカ、アメリカの熱帯・亜熱帯に分布します。花の姿を鶏のとさかに見立て「鶏頭」です。本当の花は小さくとさかの下に咲きます。花色は赤・濃黄・オレンジ・ピンク・紅紫などと彩り多く、湿気の多い日本の気候によく適応し、真夏から秋にかけて長期間花を咲かせます。トサカ系・久留米系・キルドシー系・プルモサ系がありますが、写真はキルドシー系で、羽毛のような花穂が特徴です。花言葉は「おしゃれ」「色あせぬ恋」「風変り」
 
トウガラシ(ナス科)
熱帯アメリカ原産です。観賞用は果実が緑や紫、クリーム色から赤や黄、オレンジ色に変化しカラフルで形も細長かったり丸かったり色々で、紫や斑入りの葉をもつ品種もあり、長く楽しめます。2000年以上前から栽培され、コロンブスがスペインに伝えたことでも知られています。写真はアンヌム種で、食用、観賞用を問わず、日本で栽培されるトウガラシのほとんどはこの種を改良したものです。

イポメア(ヒルガオ科)
中南米原産のツル性多年草で葉の美しい観賞用のサツマイモです。ツルが這って広がるのでグランドカバーに利用されたり、寄せ植えのカラーリーフ素材としても利用されています。葉がライム色をしたテラスライム、葉の色が茶色や紫色の物、斑入りのトリカラーなどもあります。根はサツマイモと同じく芋状ですが、食用のサツマイモほど大きくなりません。アサガオのような花も咲きますが、サツマイモと同じく短日条件でのみ咲くので、沖縄など南の方でだけ見られます。
           夏が過ぎ・・・
 八月が終わりました。皆様もそれぞれの八月を過ごされたことと思います。

私は、例年の通り夫の実家でお盆の支度をしていました。

もう、三十年も同じ事をしています。

大阪のあまり伝統のない家に育った私にとって、お盆をとても大切な行事とする夫の実家は、実に大きなカルチャーショックでした。

山の古いお墓の掃除から、準備ははじまります。

花や線香を供え、夕暮れには明りを灯し、朝夕、玄関口でキビガラを焚きます。
ほおずき・蓮の葉・きゅうりの馬とナスの牛を飾り、お膳は日によっておはぎ・素麺。焼きナス・赤飯などメニューが少しずつ変わります。
13日には白い粉をまぶした団子、16日にはきな粉をまぶした団子を作ります。 
他にも細かな決まりが色々ありますが、新婚の頃は、アタフタとして、何もわからないまま言われるままに過ごしました。
子どもができてからは「暑い~」「疲れた~」「虫に刺された~」と、ぐずる子どもを抱えて、やはりアタフタと言われるままに過ごしました。
当時の私にとって、他の季節はとにかくお盆は、暑くて渋滞する高速道路をはるばる出かけて、「疲れる」「 気が重い」だけの季節でした。
もちろん、同居してずっと家を支え続けるお嫁さん方に比べれば、文句など言える立場ではありませんが、とにかく、古い家特有の匂いも、線香の煙も、西日の差す障子も、あの頃は何もかもが好きになれませんでした。


 あれから、長い年月が流れました。
古い家はもう、誰も住んでいません。
お盆の支度は、空き家の掃除から始まります。
でも、余裕が出たからでしょうか?

それとも自分のペースでできるからでしょうか?
あの頃ほどは、苦に感じないのです。
そして、古い家の匂いも 、線香の煙も、今ではどこか懐かしい気持ちになれます。
親戚が集まって、古いアルバムを見ながら、昔話をすると、先祖の事を知るだけではなく、夫や子どもたちのルーツをたどれるような面白さを感じます。

きっと嫁はみんな、その時々に色んな思いを乗り越えながら、こんな風にその家々に馴染んでいくのでしょうね。
とにかく、夏の大きな義務は果たしました。いよいよ待ちわびた秋が来ます。折々に、わずかに感じられる秋の兆しを見つけ出しては、ゆっくりじっくり楽しむ事にします。 

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