2014年8月(August)

 八月になりました。この時期は、夏の風物詩、たとえば、キーンと冷たいカキ氷、瑞々しいアサガオの花、いっぱいのヒマワリ、冷えたスイカ、花火などを、色々思い描いて、暑い日々を乗り切りたいものです。
アンゲロニア(ゴマノハグサ科)
中央アメリカ・西インド諸島原産です。立性と這性があります。株元からたくさんの茎を伸ばして茂り、茎の途中から枝分かれはしません。初夏~秋に茎の上部、葉の付け根に次々とつぼみを付けます。花色は白、紫、ピンク、紫がかったブルー、白と紫のツートンカラーもあります。花は良い香りがします。エンジェルラベンダーの商品名で流通しているものもありますがラベンダーの仲間ではありません。花言葉は「過去の恋人」
 

ヘリオプシス(ヒメヒマワリ(キク科)
ヘリオプシスとはギリシア語で太陽の花という意味です。北アメリカ原産で、明治時代に渡来しました。本来大形になるヒマワリを改良して小さくしたものです。花は直径5~8センチで、一重咲きと八重咲きがあります。茎や葉に短い固い毛が生え触るとざらざらした感じがします。花期は長く6~10月です。「宿根ヒメヒマワリ」「キクイモモドキ」とも呼ばれます。外側の黄色い花びらをつけた舌状花、内側の花びらのない管状花の集まりです。花言葉は「あこがれ」「崇拝」

ハイビスカス(ヒビスカス)(アオイ科)
熱帯アジア原産です。古代エジプトの女神ヒビスよりこの名がつきました。日本には仏桑花(ぶっそうげ)の名で伝わりました。ハワイなどで改良が進み今では5000もの品種があるそうです。ハワイの州花です。摘んでもしおれにくいため、レイとして耳のそばに飾ります。毎日新しい花が咲くことから花言葉は「常に新しい美しさ」(赤花)です。白花の花言葉は「艶美」。観賞用だけでなく、飲料、マッサージ、染物など様々な用途があります。

ルドベキア(キク科)
北米原産。内側の濃茶色の管状花と外側の舌状花の集まりです。スウェーデンの植物学者ルドベックにその名を由来します。和名は「アラゲハンゴンソウ(粗毛反魂草・荒毛反魂草)・オオハンゴンソウ(大反魂草)」です。英名は「cone flower」です。真夏の炎天下でも花を咲かせ、よく枝分かれして多くの花をつけます。花言葉は「強い精神力」「正しい選択」。ルドベキアといえば、オレンジや黄色い花弁がほとんどですが、これは白で非常に珍しいです。

ジニア(ヒャクニチソウ)(キク科 )
メキシコ原産で初夏~晩秋にかけての長い期間開花します。別名「百日草」「長久草」「浦島草」で英名は「common zinnia」「youth and old age」ですべて花期が長い事に由来します。ブラジルでは「幸福を招く花、魔除けの花」としてカーニバルに欠かせない花となっています。日本には江戸時代末期に入ってきましたが戦前までは仏花として栽培される程度だったそうです。花言葉は「遠い友を想う」「いつまでも変わらぬ心」。

カンナ(カンナ科)
熱帯アメリカ原産の多年草です。カンナはギリシア語で「アシ(葦)」を意味し、アシに似ているのでこの名がつきました。草丈が1~2mになる大型種と40~50㎝程度の矮性種があります。6本ある雄しべが、1本を残してすべて花びらに、雌しべはへら状になります。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白があり、葉も銅色、斑点や模様のはいるもの等多種多様です。花言葉は「情熱」「快活」「妄想」。
          泥より出でて
 最近の日本の夏の暑さは、暑い国から来た外国人旅行者も驚くほどだそうですね。ついつい、エアコンのきいた部屋にこもりそうになる日々です。
この時期は特に出不精の私ですが、先日琵琶湖の烏丸半島のほとりのハスを見に行ってきました。
静かに水をたたえた琵琶湖では、岸辺からずっとかなり遠くまで群生が広がっています。
そして、水面からすくっと茎をのばし、大きな葉を広げ、30センチ以上もありそうな大きな花をいっぱい開いています。圧巻でした。
ハスの花は、清らかさや聖性の象徴とされているそうですが、本当にけがれのない凛とした美しさでした。
根の部分は、泥が堆積した中に埋もれているのですが、「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という言葉が実感できます。

ハスは仏像の台座になっているように、仏教では神聖な花とされています。
極楽浄土に生える花とされ、この時期は特に仏事のデザインとしてよく見かけます。
面白い事に、ハスはきれいな水で育てると、小さな花しか咲かないそうです。
泥水が濃ければ濃いほど大きな美しい花を咲かせることから、「困難や苦しみが多ければ多いほど人は悟る事ができる」という教えの象徴となっているようです。
何となく、朝のドラマの、スキャンダルにまみれながらも、誇り高く生きている蓮子様を思い浮かべてしまいます。
私も、もちろん困難や苦しみは避けて生きたいです。
でも、過去にあった辛かった事、苦しかった事も振り返ってみると、意外に自分の幸せのための大切な礎になっている様な気もします。
人って追い込まれて初めて、自分にじっくりと向き合ったり、大切なものに気が付いたり、執着を手放したりできるのでしょうね。
どうしても辛い事から逃げられなくなった時には、琵琶湖のハスを思い浮かべるのも良いかもしれません。
そうすれば、不本意な事でもど~んと受け入れて、いつか清らかで美しい花を咲かせるための栄養にできそうな気がします。

 

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