2014年6月(June)

  水無月になりました。雨がたくさん降るのに「水の無い月」とは変な気がしますが、「水無月」の「無」は「の」として使われ「水の月」の意味になります。田植えが済んで、田に水を張る必要があったことから、「水の月」→「水無月」と呼ばれるようになったそうです。
セリンセ・マヨール(ムラサキ科)
南ヨーロッパ原産の一年草で、10種が知られています。本来の野生種は紫色と黄色のツートンカラー(先端が黄色になる)の筒のような形をした花ですが、日本でよく見られるのは、写真のような筒状の花全体が紫色になる「プルプラスケンス」という品種です。花のまわりの苞がブルーに色づき、花全体がぶら下がるように下向きに咲きます。葉には銀色の斑が入ります。
シラン(ラン科) 
日本・台湾・中国原産。紫色の花を咲かせる蘭なので「紫蘭」です。栽培品は花壇や庭先などでごく普通に見られますが、純然たる野生種は準絶滅危惧種に指定されています。性質は丈夫で、日当りがよく適度に湿り気のある場所に植えておくと増えます。地下の偽球茎は白及と呼ばれ止血や痛み止め慢性胃炎に使われます。花言葉は「苦しむ勇気」
フロミス・フルティコサ(エルサレムセージ)  (シソ科) 
地中海沿岸原産。星状毛と呼ばれる細かな毛が生えた葉はシルバーグリーンで縁が白です。花は鮮黄色で小さいですが、輪生状に固まって咲きます。流通名はエルサレムセージですがセージとは別属です。花を乾燥させてもその鮮やかさを失わず、レモンのような香りが爽やかなのでドライフラワーやポプリにも使われます。花言葉は「前向きな心」
イソトマ(キキョウ科)
オーストラリアやニュージーランドなどに自生します。薄い青紫や薄いピンク、白などの星形の花を初夏から初秋まで長く楽しむことができます。日本で販売されている多くは、オーストラリア原産のイソトマ・アキシラリスという種類です。暖かいオーストラリアでは、多年草として扱われますが、日本では寒さで枯死することが多いため、一年草として扱われます。花言葉が「猛毒」といわれる通り有毒植物で、茎を折ったときに出てくる汁には注意が必要です。
ラベンダー(シソ科)
カナリア諸島~地中海沿岸、インドに分布する小低木です。写真のイングリッシュラベンダーの他にフレンチラベンダー、ウーリーラベンダーなどがあり、春~初夏に花茎を伸ばし先端に小さな花を穂状にたくさん付けます。芳香の主成分は酢酸リナールやリナロールで香料や香水の材料になります。その名はラテン語のラヴァンド(洗う)にちなみ、古代ローマで入浴や洗濯に利用されていた事にちなみます。日本では1972年のドラマ「タイムトラベラー」で急に知名度が高まりました。
ツンベルギア(キツネノマゴ科)
熱帯アフリカや熱帯アジアに約100種類が分布します。毎年花を咲かせる多年草か低木で、つるを長く伸ばす種が多いです。ラッパ型の花は初夏~秋まで咲きます。つるが伸びる性質を利用してアサガオのようなあんどん仕立てにしたり、フェンスに絡ませて楽しみます。沖縄では庭木にしたり、公園に植えられていることもあります。ツンベルギアの名前はスウェーデンの植物学者、ツンデリーに由来します。
         風に吹かれて

 春は過ぎ去ってしまいましたが、時折吹く風がとても爽やかに感じられる季節です。
街の緑はどんどん濃くなり、枝を伸ばし葉を茂らせたケヤキ並木は、涼しい木陰の散歩道を作ってくれています。この季節の植物たちも美しいです。

 我が家の庭では今、バラが華やかに咲いています。
このバラは、夫が貰ってきました。夫は植物への興味は少なかったのですが、自然豊かな泉北ニュータウンに住んでからは、少しずつ変わってきました。
窓から庭をじっと見ていたり、花の写真を撮ってきたり、「人生の楽園」を見て、ぼそっと「こんな老後を過ごしたい。」と言ったりします。

 私はそんな時、夫にもガーデニングの心地よさを、体験して欲しくなります。
色鮮やかで優美な花たちになら、臆してしまうかも知れません。
でも、ちょっとゴツっとした大きめの鉢に、色を抑えた植物たちを植え込むなら、それは渋い男性のガーデニングにぴったりです。 
子供のころプラモデルを組み立てていたような、ワクワクした気持ちになれるのではないでしょうか?
出来上がったら、その鉢を家の中から眺めましょう。
開け放したリビングには、爽やかな風が吹き込み、傍らにはよく冷えたビール。 
音楽は、ボブ・ディランの「風に吹かれて」でしょうか?

♬  How many roads must a man walk down
      Before you call him a man?

ずっと風に抗して長い道のりを歩いてきたんだから、時にはのんびりしたらいいでしょう。
ゆるっと風に吹かれて、植物たちと過ごしましょう。
心地のいい時間が流れそうです。
「人生の楽園」は、結構身近にもあるのかもしれません。

                                                                                                             

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