2014年4月(April)

街には日々色彩が増えています。植物達の息吹が感じられる良い季節ですね。二十四節気によると4月5日は「清明」になるそうです。清明は「清浄明潔」の略で、万物がけがれなく清らかで生き生きしているという意味です。この時期にはぴったりの言葉ですね。
クレマチス(キンポウゲ科)
世界中に250種~300種が分布します。ほとんどの種がつるを長く伸ばし、名前もギリシア語のクレマ(つる)に由来します。花びらに見える部分は萼(がく)です。花後は雌しべが伸び、羽毛状になり風に乗って飛びます。写真はニュージーランドの原種をかけ合わせたカートマニージョです。4~5月に小輪の白花を節々にたくさんつけ、花で覆われたようになります。花は咲き始めはグリーンを帯びていますが段々白くなります。
リュウキンカ(キンポウゲ科)
黄金のようにつややかな黄色い花が、立ち上がるように咲くことから立金花(リュウキンカ)の名がつきました。日本~中国原産で、湿原や沼地に自生します。花弁はなく花弁に見えるのは萼(がく)です。夏には地上部は枯れて休眠します。若芽は山菜として食用可能ですが基本的に有毒です。花言葉は「必ず来る幸福」
スイセン(ヒガンバナ科)
古来より日本で野生化しているニホンスイセンに対して、写真のような海外の園芸品種などを総称してセイヨウスイセンと呼ぶこともあります。一茎一花のスイセンのうち、中央の副花冠が花弁と同じか長い品種をラッパスイセン、1/3~1/1の品種を大カップスイセン、1/3以下の品種を小カップスイセンと呼びます。ニホンスイセンと比べて遅咲きで、3月~4月頃の暖かい時期に大きな花を咲かせます。ニホンスイセンと同様に毒性が有ります。
ディアスキア(ゴマノハグサ科)
南アフリカ原産です。日本に来たのは最近ですが、花付きが良く、開花期間が長く、やや日陰の場所でも育てられるので、普及しています。 花はピンク、白、オレンジなどがあり、プランターや花壇、寄せ植えなど用途が広く、タネから育てることもできます。ディアスキアという名前はギリシア語で「2つ」を意味する「ディス」と袋という意味の「アスコス」からきていて花の背面に距(きょ)と呼ばれる2本の突起が出ているところに由来します。
ゴールデンクラッカー(キク科)
南アフリカ原産、キク科の常緑低木です。枝は松葉を細かくしたようで、その先端に1cmほどの黄色い花を枝いっぱいに付ける姿は「花がはじける」ようで、ゴールデンクラッカーの名前もそこから来ているようです。耐寒性は強いので暖地では地植えでの冬越しが可能です。乾燥に強く夏には水は控えめのほうが良いです。成長すると数mと大きくなります。
イチゴ(バラ科)
フラガリア属と呼ばれ10数種の野生種が知られています。イチゴのつぶつぶは、ひとつひとつが実です。果肉の部分は花托と呼ばれる花を下から支える部分が肥大したものです。つぶつぶは花托の部分を肥大させる物質を出しており、取り去ってしまうと花托は大きくなりません。写真は赤い花と実を楽しめるガーデンストロベリーです。花期が長く四季なり性でランナーがあまり出ないタイプなので、花と実をたくさん楽しめます。
   大切なもの
 木々が芽吹き、ユキヤナギ、レンギョウ、サクラが次々に満開になり、色彩が溢れる季節です。早春のひっそりとした花も味わい深いですが、やはりこの季節の、華やかな美しさは格別です。この時期、街を彩る花たちは、次々に別のものに移り変わっていきます。来週にはもう、すっかり花が変ってしまっているかも知れません。
 流れていく季節の、その瞬間、瞬間をぞんぶんに感じ取って、記憶に深くとどめておきたい物です。

 この四月に、新しい人生に踏み出す人も多いと思います。新鮮な希望いっぱいで、新しい場所へ進学・就職にむかっていく人もあれば、大切にしていた物や人に未練を残しながらも、新しい生活が始まる人もいるかもしれません。
 私の友人は、その自宅に新しい家族を迎える事になりました。多くのスペースを空ける必要があったので、私が「断捨離」をお手伝いしました。人は長く住むと、実に多くの物に取り囲まれる事になるのですね。お返しの品でしょうか?箱に入れたまま未使用の食器セット、毛布やリネン類。 高価ではあるけれど、流行遅れの服やバッグ。大切にしまっておいたのでしょうが、もう使う事はないでしょう。
 最後に私に託されたのは 大量の記念硬貨や記念切手コレクションの換金でした。珍しいものが綺麗に保存されています。「きっと高価に引き取ってもらえるでしょう!!」とワクワクしながら、大きな荷物をコインショップに持ち込みました。ところが、ほんのわずかにプレミアムがつくもの数点以外は、「現金として、切手としてお使いください。」と、返されてしました。
 結局、硬貨はお孫さん達のお小遣いになり、すっきりとした空間ができました。これでいいのでしょう。抱えていた大切な物たちの価値は否定されてしまいましたが、思いは心の中だけにそっと残して、もっと大切な新しい生活が始まります。

人にとって、本当に大切なものは、きっとほんのわずかなのでしょう。今、私が抱えているものが、どれほど大切かどうかはわかりませんが、とりあえず今は、この美しい春を大切にしたいです。季節の移ろい、植物達の息吹を感じて、庭作業を楽しみましょう。春らしい寄せ植えを作りましょう。ガーデニングが本格的に楽しめる季節です。

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