2013年2月(February)

 イチゴノキ(ツツジ科)
ヨーロッパ南東部原産の常緑性の低木です。花茎が垂れ下がり、壺を逆さにしたような形のドウダンツツジに似た小さな白い花をたくさん付けます。花が咲く頃に前年の花の果実が色付きます。花と果実が同時に楽しめる訳です。赤く熟した果実の表面がイチゴを連想させるところから、「イチゴノキ」「ストロベリーツリー」ともよばれますが、果実はむしろヤマモモに似ています。

 サンゴミズキ (ミズキ科)
日本・シベリア原産の落葉低木です。ベニミズキ、サンゴモミジ とも呼ばれます。冬に枝が美しい赤(サンゴ色)に色付くので、この名がつきました。シラタマミズキの変種で、5~6月頃5mm程度の黄白色の小花を多数つけます。果実は楕円形で秋に白く熟します。撓める事ができるので花材にも使われます。

 コニファー ブルーアイス(ヒノキ科)
北米原産。銀白色の葉色や円錐形の樹形が美しく、丈夫なため人気があります。アリゾナイトスギの系統に属し、コニファーの中でも木の香りが特に強い品種です。新芽を出す力が強く、成長が早いため刈り込みに耐えます。本来、雨や風の少ない場所に自生しているため多湿には弱いです。リースにしても綺麗です。

  レッドロビン(バラ科)
ツヤツヤとした鮮紅色の若葉が美しい園芸種です。日本原産のカナメモチと中国原産のオオカナメモチがニュージーランドで交配され育成されました。日本種のベニカナメモチと区別してセイヨウベニカナメモチとも呼ばれます。まだ柔らかくて葉緑素も十分に形成されていない若葉を「アントシアニン」の赤い色素で紫外線から守っているとも言われています。

 メラレウカ(フトモモ科)
オーストラリア原産の低木で、南関東以南の暖地では屋外での冬越しも可能です。葉は細長く小さめの楕円状で白い花が咲きます。ティーツリーとも呼ばれ、ハーブとしても用いられていますが、この名はオーストラリアを発見したクック船長がこの葉をお茶代わりに
飲んだのが由来のようです。様々な薬効がありアロマとしても使われます。

 ニホンスイセン(ヒガンバナ科ユリ科に分類される場合もあります
地中海沿岸原産の耐寒性多年草です。中国南部から黒潮によって漂着し暖かい海岸近くで野生化し、群生も見られます。球根は鱗茎で葉は晩秋にのび始め、冬から早春にかけて芳香のある花を5~7個横向きに開きます。花被片(花弁と萼をまとめてこう呼びます。)は少しクリームがかった白で副花冠は黄色で杯状です。ニラと間違われる事がありますが、全草に毒があるので、食べると危険です。

 

小さな彩り                 

 非常に寒い日が続いています。暖かい時期には、生い茂る葉や色とりどりの花で覆われて賑やかだった公園や散歩道も、この季節にはすっきりと遠くまで見渡せます。イギリスでは、このような時期の庭の事を、スケルトンガーデンと呼び、木々の樹形や木々の間から見える冬の風景を楽しむそうです。
 エコ・ワークスの庭も、今は非常にシンプルです。でも決して殺風景ではなく、色んな植物が庭を彩ってくれています。白い小さな花を付けるイチゴノキ。寒風に柔らかな緑の葉をそよがせているティーツリー。銀色がかった青緑のコニファー。枝が真っ赤に染まるサンゴミズキ。普段は目に付かないような静かで可憐な美しさがこの季節には目立ちます。
 
多くの植物達は、暖かい季節に葉を茂らせ冬には休眠します。そして受粉を助けてくれる虫の多い季節に開花します。今、エコワークスの庭を彩っていてくれる植物達はちょっと変わり者なのかもしれませんね。
 変わり者といえば、私も幼い頃から変な子でした。あまり遊びの輪に入らず、いつも一人で虫や草に話しかけていたそうです。明るい声のあふれる教室、華やかにブランドやファッションが語られるOLの世界、賑やかなママ友たちとのお茶会等に、いつも小さく居心地の悪さを感じていました。だから、この変わり者達には大いにエールを送りたくなります。

 これから段々暖かくなって、色んな春の兆しが見えてきます。フキノトウ、スミレ、ツクシたちがそっと姿を現す事でしょう。多数派の緑が増えて華やかな花が咲き始めるその前の、少数派たちの小さな春の美しさを探すのも、今からとても楽しみです。

                                                    

 

ページトップへ