2012年12月(December)

 

 木枯らしが吹き、寒い日々が続きます。早いものでもう12月です。陽はすぐに落ち、驚くほど早く暗くなります。きっと、これから街のあちこちでクリスマスのイルミネーションが美しいでしょうね。
 12月は師走とも言いますが、年満月とも言うそうです。一年が満ちていく最後の月を、満ち足りた思いですごせると良いですね。

 ポインセチア (トウダイグサ科)
中央アメリカ原産。アメリカの公使だったポインセット氏がメキシコで発見しこの名が付きました。原住民は茎から出る白い乳液を解熱剤として使っていました。12月頃に苞葉の赤(キリストの血の象徴)下葉の緑(農作物の象徴)が美しく、クリスマスに用いられるようになりました。欧米では’クリスマスフラワー’の別名まで持ちます。和名は赤い顔をした伝説の動物にちなんで”猩々木”(しょうじょうぼく)。綺麗に赤くするには短日処理が必要です。花言葉は「私の心は燃えている」。
 苞がバラのようなウィンターローズ

  クリスマスホーリー(モチノキ科)
尖った葉がイバラの冠、常緑の葉が永遠の命、赤い実がキリストの血を象徴するためクリスマスによく使われます。葉は楕円形で光沢があり縁に鋸歯があります。赤い実は苦くて鳥に好まれません。狭い意味でのクリスマスホーリーは「イングリッシュホーリー(セイヨウヒイラギ)」だけですが、日本で流通しているのはチャイニーズホーリー(ヒイラギモチ)がほとんどです。

  ジョーイセルリア(プロティア・ヤマモガシ科)
原産地は南アフリカですが、オーストラリアで改良され様々な品種があります。ほんのりとピンク色の総苞が英名のBlushing Bride(頬を染めた花嫁)にぴったりでブーケにも好まれます。故ダイアナ妃もウェディングブーケに使用しました。日当たりと水はけを好みます。花言葉は「すぐれた知識」「ほのかな思慕」。

    ツワブキ(キク科)
別名、石蕗・艶蕗。本州の暖地や沖縄、台湾に分布する多年草で、葉がフキのように丸く、光沢があるので艶葉蕗(つやばぶき)からこの名が付きました。日陰でもよく育ち庭園の下草に使われます。晩秋に一重の黄色い花を咲かせタンポポのような綿毛になります。表面が縮れた獅子葉や斑入り等様々な品種があります。沖縄では「ちぃぱっぱ」と呼ばれます。
    パンジー(スミレ科)
ヨーロッパ原産。園芸品種として改良されたスミレ科の植物です。実は自然界に「パンジー」という植物はありません。耐寒性があり、10月~5月ごろまで開花します。花言葉は「思慮深い」「心の平和」です。写真はフリル咲きの「ムーランフリル」です。イタリア、ナポリの貴族の種苗場で品種改良されました。花色に微妙なグラディエーションがありフリルがゴージャスです。

 

      冬の公園にて            

 季節の移ろいは早いです。秋も過ぎ去り、もう冬がやってきました。この時期の泉北ニュータウンも非常に美しいです。公園や遊歩道を歩いていると、とても気持ちがよく、またどこを見ても絵になります。夏にはびっしりと緑の葉を茂らせていた木々は、紅葉して葉を落とし、まばらになった梢からは光がいっぱいに射しこみます。足元では、まだ赤や黄色を残した落ち葉が、かさかさと音を立てます。ピラカンサスやナンテンは、つやつやした赤い実をいっぱいつけています。
 私はこの時期の公園を歩くのが大好きです。光を浴びて落ち葉を踏みしめながら歩いていると、いつの間にか降り積もっていた心の澱のような物が、拭い去られているような気がします。
 冬になると木々は活動を休みます。あんなに繁らせていた葉を潔くばっさり落とし、春が来るまでじっとしています。毎年同じ様に繰り返される自然の摂理です。
 でも、それは無意味に時間を浪費しているのではないのです。落ち葉はゆっくり発酵・分解して、春に活動するための貴重な栄養になります。外からは見えませんが、木々の内部は春に備えて変化しています。
 冬の木々から見ると、ずっと活動を続けている人間達はどう見えるのでしょうね。せかせかと早足に通り過ぎる人、疲れた顔をしながら
一生懸命頑張る人を見ては、「人間って、大変だねえ~」とでも思っているのでしょうか?
 人間も冬には、木々のように活動のペースを落とし、ゆったりと自分を慈しむ時間が必要なのかもしれませんね。冬の公園を歩いていると、ふとそんな思いが浮かびました。
                                              

 

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