2012年11月(November)

 秋がどんどん深まっています。朝夕は寒いほどです。
11月7日は立冬で、この頃から冬の気配が立ちはじめます。紅葉も見頃になり、季節の移ろいが楽しみな時期です。

  マリーゴールド (キク科)
メキシコ原産。「聖母マリアの黄金の花」という意味です。昔はキク科でも別属の「キンセンカ(カレンデュラ)」に対する呼び名でした。学名のタゲテスは美の女神タゲスに由来します。花期は6~11月で、黄色やオレンジが一般的ですが、白やクリーム色もあります。特有の臭いがあり、根に「アルファ・ターチェニール」が含まれるので土中のセンチュウを抑制します。花言葉は「生命の輝き」、「変わらぬ愛」

  レウコフィルム・フルテスケンス(ゴマノハグサ科)
シルバーリーフと花のコントラストが美しい植物です。メキシコからテキサスにかけての乾燥地に自生しています。よく分枝して高さ1~3m程度になります。葉は短毛に覆われて銀白色、花は紫桃色で1~2.5cm程度の大きさです。英名はTexas sage。ニーオンの名でも流通しています。日当たりのいいところで乾かし気味に育てると多くの花をつけます。
  チョコレートコスモス(キク科)
メキシコ原産の多年草。チョコレートに似た香りと花色をもつ、シックな多年草です。高温多湿に弱い原種(コスモス・アトロサンギネウス)のほか、育てやすいキバナコスモスとの交配種が出回っています。交配種には春~秋に咲く物と、秋に一斉に咲く物があります。切れ込みのない葉の形のせいかコスモスとは印象が異なります。原種、交配種ともにタネがとれないので、さし芽や分球でふやした株が流通しています。
  キャンディーコスモス(キク科)
アンデス原産の多年草。6~11月にピンク色の大きめの花を咲かせます。チョコレートコスモスと近縁で、葉の様子など非常に似ています。草丈20~80cmで這う性質があるので、グランドカバー、ハンギングに向いています。日あたりを好み高温多湿を嫌います。晩秋からは地上部が枯れ、球根の状態で冬越しをします。
 
  コムラサキシキブ クマツヅラ科
日本原産で本州~沖縄、中国・朝鮮の山麓に生える落葉低木です。6~7月に淡紫色の小さな花を咲かせ、秋に3mmくらいの紫色の果実が熟します。紫の実の清楚な美しさを理知的な紫式部に例え小ぶりなのでこの名がつきました。ムラサキシキブは枝垂れず実が疎らに付くのに対し、コムラサキシキブは枝垂れて実がびっしりと固まってつきます。とても丈夫で半日陰でも実がつきます。花言葉は「聡明」
  ホトトギス(ユリ科)
日本・東アジア原産の山野草として人気の高い植物です。山野の林下等日当たりの弱いところに自生します。花びらの斑点模様が鳥のホトトギスのお腹の模様に似ているのが、名前の由来です。油点草とも呼ばれます。あまり多く花をつけるわけではありませんが楚々とした風情があります。品種によっては白いものや斑点の入らないものもあります。花言葉は「永遠にあなたのもの」

 

       大きな自然の中で 

  秋です。透明な陽射しやひんやりした空気を感じるだけで、幸せな気分になれます。庭ではハナミズキやドウダンツツジの葉が、日々赤味を増しています。夏には気が重かった草抜きや剪定も心地よくて、私が庭で過ごす時間はどんどん長くなってきています。
 そんな風にあまり外出もせず、出不精に過ごしていますが、古い友人達との山歩きは大好きです。10月の初めには立山に行ってきました。
 高速を降りて、ケーブルからバスに乗り換え、美女平からブナ平~滝見台~弥陀ヶ原~天狗平~室堂と登りました。
高度が上がるにつれて、どんどん紅葉が増えてきて、弥陀ヶ原あたりでは、車内で歓声が上がるほど美しい紅葉のパノラマが広がります。今年の紅葉は十年に一度の美しさという話です。 
 標高2400メートルにある室堂の風景は圧巻です。遠くに剱岳などの立山連峰、近くの斜面には紅葉が広がります。チングルマの真紅、ナナカマドの鮮やかな赤、ミネカエデ・ダケカンバの黄色、ハイマツの濃緑・チシマザサの淡緑など、様々な色が混在することで、いっそうそれぞれの色を引き立てあっています。夏はお花畑だったのでしょうね。ミヤマリンドウは紫色の花を閉じたまま色褪せ、チングルマは、白い綿毛のように風に揺れています。
 みくりが池をぐるっと散策していると、チラチラと雪が降ってきました。私にとっては初雪です。雪が一度でも積もると、もう紅葉は鮮やかさを失ってしまうそうです。木々が色づいて色褪せるまで、ほんの短い間の美しさです。
 翌日は、室堂から天狗平まで斜面のくねくねした道を歩いて降りました。道を曲がるたびに、違う風景がはるか下方に広がります。
 誰が設計したわけでもなく、誰が建造したものでもないのに、様々な偶然でこんな壮大なパノラマが出来上がったのです。大きな自然の美しさや迫力を目の当たりにして、自分の悩みや迷いが急に小さく感じられたひと時でした。

 

 

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