アオカナブン(№668)

 夏になると、クヌギ、コナラ、ヤナギなどの樹木が樹液を出すことがあります。この樹液は、甲虫類、チョウ、ガ、ハエ、ハチなどの吸汁性昆虫たちにとって重要なエサになっています。本シリーズでは、アオドウガネ(№155)カナブン(№192)カナブン(№265)についてすでに紹介しましたが、今回はこれらとはまったく別種のアオカナブンを紹介しましょう。
 アオカナブンは甲虫目コガネムシ科の甲虫で体長26~32mm、北海道から九州の各地で7~8月を中心に見られます。樹液を求めて集まるコガネムシ類の中でも特に美しく、強い光沢をもった金緑色で目立ちます。 類似種のアオドウガネとは、体がやや大きく(アオドウガネは20mm程度)、体型も箱型(アオドウガネは楕円形に近い)、体の光沢が強いなどの点で区別が可能です。更によく似ている種類にカナブンの緑色型がいます。しかしこちらも体型(カナブンはやや丸みを帯びる)、体の光沢が異なるなどで慣れれば区別はそう難しくありませんが、慣れないうちは左右後脚の基部(腹側から見る)が離れているのがカナブン、接しているのがアオカナブンで区別するのが確実でしょう。
 アオカナブンはカナブン同様、後翅を前翅の下から出して飛びますが、素早くよく飛びます。幼虫は朽木などを食べて育ちますが、暑さに弱いのか、低山地~山地に多く、最近は人里近くでは見かけることが少なくなってきました。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲樹液に集まる昆虫類
▲吸汁中の甲虫類(ハナムグリ類とカナブン)
▲アオカナブン(体はやや細長く、光沢が強い)

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