キランソウ(№652)

 3~5月、日当たりや排水の良い斜面地、石垣などの下に這うように広がる山野草があります。濃紫色の花をつけるキランソウです。
 草丈5~10cmで5~20㎝程度の茎を四方にロゼット状に広げます。シソ科ではありますが茎の断面は丸く、他のシソ科のように四角くはなりません。花茎は地を這うように伸びますが花茎から根が出ることはありません。葉は対生し、葉縁には粗い鋸歯があり、濃緑色、葉裏は紫色を帯びます。茎の先端に濃紫色の唇形花を数個つけ、花の大きさは5~10mmで花弁の下唇は3裂し、中央裂片は更に2浅裂します。葉、茎、花に粗い毛が密生します。日本の在来種で、本州、九州、四国、奄美に分布し、別名ジゴクノカマノフタ、イシャイラズ、イシャゴロシとも呼ばれます。
 古くから民間薬として利用されたようで高血圧、鎮咳、健胃、切り傷などの万能薬のようです。園芸で使われるアジュガ、セイヨウジュウニヒトエなどの近縁種です。
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▲早春のキランソウ(ロゼット状)
▲キランソウ(開花中)
▲キランソウ(開花中)
▲キランソウの花


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