サトキマダラヒカゲ(№653)

 5月になると冬眠から目覚めたチョウたちの活動も活発になります。都市近郊の公園でも見られる中型のチョウにサトキマダラヒカゲがあります。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科のチョウで、ジャノメチョウの仲間にしては複雑な模様をしておりカブトムシやクワガタムシと共に樹液を吸汁しているところを目撃されることの多いチョウです。日本全国に生息する固有種です。幼虫はササ、タケの仲間を食草とし、蛹で越冬します。
 薄暗い半日蔭地を好み、花には集まりません。静止時には必ず翅を閉じているため、翅の表側は飛翔のために翅を開く場合にしか見られません。また、飛翔は比較的素早く普通種である割にはあまり知られていないチョウかも知れません。
 かつてはキマダラヒカゲと呼ばれていましたが、詳しく調べられた結果、サトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲの2種に分類されました。名前のとおりサトキマダラヒカゲは、比較的低地に、ヤマキマダラヒカゲは比較的山地に多いとされていますが、混生することもあります。2種の区別は後翅基部にある斑紋で区別されますが、これだけでは判別がむつかしい場合も多く、同定の難しいチョウの一つであります。
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▲サトキマダラヒカゲ
▲サトキマダラヒカゲ
▲サトキマダラヒカゲ
▲ヤマキマダラヒカゲ(標本写真)

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