ヤマルリソウ(№650)

 4月になると里山には多数の野の花が咲き、自然の花園が見られるようになります。その中でも直径1㎝程度の薄桃色や薄青色の小さな花をたくさん咲かせるヤマルリソウに出会うと心が躍り、春を感じます。
 ヤマルリソウはムラサキ科ルリソウ属の多年草で、日本固有種です。別名ヤガラとかヤマウグイスと呼ばれます。福島県以西の本州、四国、九州の里山でやや湿った半日蔭地に多く、斜面地に多いように思えます。根生葉はロゼット葉で倒披針形、7~20cmの花茎を伸ばし
その先に花を付けますが、茎葉は互生し、上に行くほど小さくなります。花は5弁花で薄桃色から薄青色に変化します。花の中央には臍(へそ)のような円筒形の小突起があり雌しべや雄しべはこの中にしまわれているようです。ヤマルリソウの属名Omphalodesは臍の意味で、この小突起を指すものと思われます。また、葉、茎の全体に長短の毛が密生しています。
 5~6月には果実ができますが下向きに4分果を付け、それぞれが中央のへこんだ小さな扁円形をしています。
 稀に花が白いものが見られます。これはシロバナヤマルリソウと呼ばれ別品種とされています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ヤマルリソウ
▲ヤマルリソウの株(根生葉が見られる)
▲ヤマルリソウの花(薄ピンク、薄青)
▲ヤマルリソウの花(中央に臍状の部分が見える)
▲シロバナヤマルリソウ(品種)

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