イチリンソウ(№647)

 早春の話題はなんといってもスプリングエフェメラルになります。今回はその一つであるイチリンソウです。
 イチリンソウは本州 ~九州に見られ、木陰の林床に群落を作りやすい草丈20~30㎝の多年草です。キンポウゲ科イチリンソウ属で、4~5月に直径4㎝程度の白い花を付けます。通常、花茎の先端に1輪の花を咲かせますが時には2輪の場合も見られます。白い花弁のように見えるのはガク片で、ガク片の裏は薄ピンク色になり通常5枚です。花茎の下部には長い葉柄を持った根生葉が見られ、茎葉は3枚が輪生し、葉柄の先に3出複葉の小葉が付き、それぞれ羽状に深く裂けます。地下茎を伸ばし群生することが多く、花後、初夏には地上部は枯れ翌春まで休眠します。
 地域により変異が多く、各種園芸種もあります。
 全草有毒で食用にはできませんが、よく似た草花で山菜として利用されるニリンソウがあります。ニリンソウの特徴は、 1.花は通常2輪咲きでイチリンソウより小型(直径2cm)、2.葉は無柄、3.葉の切れ込みは少ない、4.花期はイチリンソウより早く3~5月などで区別できます。ニリンソウは山菜に利用されますが全く無毒というわけではないため前処理などに十分な注意が必要です。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲イチリンソウ(葉の切れ込みが深い)
▲イチリンソウの花
▲ニリンソウ(葉の切れ込みが浅い、花が小さい)

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