ヒイラギ(№640)

 花の少なくなった10~12月に、芳香を放つ白い小花を付ける常緑低木にヒイラギがあります。葉縁に鋭いとげが2,3対あることから、魔よけの縁起物として敷地の表鬼門(北東)に植えられたり、節分にはイワシの頭を刺して玄関に飾り邪鬼払いにしたりします。庭園にも多く使われ、生垣用や独立樹としてよく使われる樹木です。
 福島県から関東以西の山地に自生しています。葉縁のとげは古木になると消失し先端のみに残るようになります。雌雄異株で雌株は極端に少なく、果実を見るのは稀です。花の外観は雌雄あまり変わりませんが、雌株では中央の雌しべが肥大し6~7月に暗紫色の果実を付けます。園芸種も多く、斑入りヒイラギなどがよく見られます。また、害虫としてヘリグロテントウノミハムシやカイガラムシ、メイガなどが見られることがあります。
 葉にとげがある植物はヒイラギの名前が付けられることが多く、例としてヒイラギモクセイ(ヒイラギとギンモクセイの雑種)、セイヨウヒイラギ(クリスマスホーリー、冬期に赤い果実をつける、モチノキ科)、シナヒイラギ(ヒイラギモチとも呼ばれる、冬期に赤い果実をつける、モチノキ科)、ヒイラギナンテン(メギ科)など紛らわしいものがあります。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ヒイラギ開花中
▲ヒイラギ雌株(雌花)
▲ヒイラギ雄株(雄花)
▲斑入りヒイラギ
▲シナヒイラギ

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