ハマナタマメ(№628)

 ハマナタマメはマメ科ナタマメ属に分類される南方系の多年草で、海岸沿いの砂浜や砂礫地帯に生育するつる植物です。山形県以西、千葉県以西が生息地とされていますが、近畿地方で定着が確認されているのは兵庫県(淡路島)と和歌山県海岸沿いの一部のみといわれています。しかし、最近の気候変動の影響もあってか、大阪府下でも越年、結実が確認され始め、生息範囲を拡大しつつあるようで、今後の動向が注視されています。
 葉はクズより小さく、丸みを帯び、つやがあります。5~9月に2,5~3cmの大きなうす桃色の花を開きます。この花は通常のマメ科の花と同じ構造ですが、上下が逆(旗弁が下、竜骨弁が上)になっており旗弁の上に昆虫が止まりやすい構造にみえます。房状に花が付きますが、そのうち数花が結実し5~10cmの大きな豆果を付けます。この果実の鞘は非常に硬く、鞘を割ってみると内部には発泡スチロールのような組織にくるまれた褐色の種子が4~5個入っています。この鞘のまま海水に乗って散布されるのでしょう。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ハマナタマメ群落(和歌山県)
▲ハマナタマメの花
▲ハマナタマメの果実
▲豆果(割った状態)

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