タマナギンウワバ(№529)

 ブロッコリーの葉が穴だらけになっています。葉の表皮が残っている穴も見られます。これはタマナギンウワバの幼虫による被害です。
 チョウ目ヤガ科に分類される蛾の仲間で幼虫は野菜、特にアブラナ科野菜(ハクサイ、キャベツ、コマツナ、ブロッコリー等)の大害虫として知られています。またアブラナ科以外の野菜(キク科、マメ科、セリ科、ヒルガオ科等)も加害します。被害は、外葉中心で、結球部に潜り込むことはありません。
 成虫は前翅長16~18mmの中型褐色の蛾で翅の中央に銀色の小斑があります。卵は葉の裏に1個ずつ産まれ、ヨトウムシのように集団で食害することはありません。若齢の幼虫は表皮を残して食害するため食害痕は白い斑紋として残りますが令期が進むと表皮ごと穴をあけて食害するようになります。幼虫は前方(頭部)が細くスマートで腹脚(体の一番後ろにあるのは1対の尾脚、その前に通常4対あるのが腹脚)は2対しかなくそのためシャクトリムシに似た歩き方をします。葉の裏に白色の薄い繭を作り、その中で蛹になります。
 日本全国に分布し、年に4,5回発生するようです。休眠はしないようで、各態で越冬しています。タマナキンウワバと呼ばれることもあります。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲タマナギンウワバによるブロッコリーの被害
▲タマナギンウワバ幼虫ー頭部(下向き)が細い
▲タマナギンウワバ幼虫(腹脚は2対)

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