サツマイナモリ(№510)

 サツマイナモリ、聞きなれない名前ですがアカネ科サツマイナモリ属の多年生草本で日本固有種の名前です。京都では準絶滅危惧種に指定されています。
 冬(12月)~早春(4月)の薄暗い樹林の下、特に杉林の下で湿っぽくて傾斜した所に白い花を咲かせる草丈20~30cmの草本で、群落を作ることが知られています。花は筒状で花筒は長く(1~1.5cm)、先端は5裂し花弁に毛が密生します。集散花序(茎の先端に花が付き、次々にその下に花ができる花の付き方)となり、数個から十数個の花が花茎の一方に偏って付き横向きに咲きます。株によって、長花柱花短花柱花があります。
 春先に群落を訪れるマルハナバチに出会いました。忙しそうに花から花を飛び回っています。これから種子ができるのでしょう。茎は地上を這い、ところどころで根を下ろしていますので、種子繁殖以外にも匍匐茎でも広がり群落を作るようです。
 名前は三重県稲森山で見つかったイナモリソウに似ていて、薩摩地方で見付けられた植物であることから付けられたそうです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲サツマイナモリの群落
▲サツマイナモリの花
▲長花柱花
▲短花柱花
▲左長花柱花、右短花柱花
▲マルハナバチの訪花
▲匍匐茎でも増殖

homeへ


ページトップへ