ユキムシ(№495)

 秋も深まり、雪の便りが届くころ、各地で白い綿のようで、まるで雪が舞うように弱々しく飛ぶ小さな昆虫が見られることがあります。特に北海道では多く見られることがあります。これは雪の降る10日ほど前に現れることが多く、カメムシ目アブラムシ科の一部のアブラムシでユキムシと総称されます。秋の終わりを告げるものとして昔から人々に親しまれていたのでしょう多くの俗名で呼ばれることがあります。ユキムシ(各地)、ワタムシ(各地)、オオワタ(東京)、シ-ラッコ(東京)、シロコババ(東京)、シラコヤオコマハン(京都)、オナツコジョロウ(伊勢)、オユキコジョロウ(水戸)、ユキンコ(広島)、シロバンバ(静岡)等々です。
 多くのアブラムシ類は春―夏―秋と単為生殖
でメス成虫がメスの幼虫を産みながら増えていきますが、秋も終わりに近づくと有翅のメスとオスが現れ、交尾(有性生殖)をして寄主転換(寄生植物を変える)し越冬卵を産む準備をします。この際、有翅のメスとオスが白い綿のようなロウ物質をつけて飛ぶ種類が一般的にユキムシと呼ばれています。北海道ではトドノネオオワタムシと呼ばれるアブラムシ(ユキムシ)が大発生することがあり、詳しく研究されていますが、本州で発生するユキムシの大部分についての種類や生態についてはよくわかっていません。
 北海道では大発生し、歩行者の口から入ったりして不快害虫視されていますが関西ではほとんど問題になることはありません。初雪前の風物詩と言ってもいいでしょう。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲飛翔中のユキムシの1種
▲飛翔中のユキムシの1種
▲ユキムシの1種

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