オガタマノキ(№468)

 春先、小高木の中でも目立って大きな花を付ける落葉樹のモクレンはおなじみですが、日本のモクレン科の植物で唯一常緑の木があります。それは10~20mにもなる高木でオガタマノキと言われます。暖地性の木で耐潮性もあるため茨木県以南の海岸地域でもよく見られますが、一般家庭の庭で見ることは殆どありません。それは移植がむつかしいのと、高木になるため広い土地が必要で庭木としては不向きであるためです。庭木としてはあまり大きくならないカラタネオガタマ(中国原産小高木)が利用されることがありますが、こちらも移植がむつかしく多くありません。
 オガタマノキの葉は、肉厚、光沢のある葉でマテバシイやタブノキ同様葉だけでは特徴が少なく花を見て初めてそれとわかることが多い木です。花は2~3月に開花し、直径3cm程度、花冠はクリームがかった白色、基部は紅紫色で芳香の強い花で、その構造はモクレンの花そっくりですが樹高が高く、枝の先端付近、葉の基部に開花するためなかなか人目に触れることがありません。地上に落下した花を見てそれと気づくことの多い木です。
 オガタマノキは神道思想の「招霊(おぎたま)」から名づけられたことからわかるように神道と関係深く、神社によく植栽されます。榊の代わりに玉串として使われたり、高木になるため神木とされることもあります。日本神話の「天岩戸隠れ」では天鈿女命(あめのうずめのみこと)が手にして舞ったと伝えられています。また、房が連なった状態の果実は巫女が持つ鈴のモチーフになったともいわれるようです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲オガタマノキ
▲オガタマノキ

                        homeへ

ヤマガラ(№467)

 エゴの木が実をつける頃、ヤマガラがその実を食べにやってきます。ヤマガラはスズメ目、シジュウカラ科、シジュウカラ属の小鳥です。全長、13~15cm、翼上面は灰色、腹は赤褐色、のどと頭は黒く白色斑紋のある特徴的な色合いの小鳥で、一見頭でっかちで尾は短めのずんぐりタイプに見えます。日本、台湾、中国から朝鮮半島に生息する留鳥です。常緑広葉樹の林にいますが、冬季には平地や市街地でも見ることができます。
 雑食性で、夏季には主として昆虫など動物性のエサを、冬季には果実など植物性のエサを食べています。果実の中でも特にエゴノキの果実を好み、有毒な果皮を避け、殻を割って中の種子だけを食べます。またエサを樹洞や土の中に貯蔵する性質があり、しかも1カ所にまとめるのではなく各所に分散するため、植物の種子分散に役立っているようです。あたかも自分の好みの植物をあちこちに播種して広げているようにも見えます。
 年配の方は、かつて夜店や神社のお祭りなどでこの小鳥にお目にかかった経験があるのではないでしょうか。ヤマガラは、非常に人懐っこく飼いやすいだけではなく、学習能力が優れており芸を仕込むことができました。よく見られた芸は、客からさい銭を受取り、模型の賽銭箱まで運びおみくじをくわえて帰ってくる「おみくじ引き」の芸です。他に、「つるべ揚げ」、「鐘つき」、「かるた取り」、「輪抜け」などを見せてくれました。1980年頃まで見られたように思いますが、鳥獣保護法が施行されてから野鳥の飼育は出来なくなりこのような風景も見られなくなりました。
 このように身近な鳥ではありましたが、最近は減少傾向にあるようで残念です。
(*画像をクリックすると拡大されます)
 
 
◀ヤマガラ
 
 

                         homeへ

 

シナマンサク(№466)

 落葉樹が芽吹く前、春の花木類の一番最初に開花し、枯れ枝に花が咲いたように黄色い花を一杯付ける小高木(2~9m)があります。秋の紅葉も美しい、シナマンサクです。
 シナマンサクはマンサク科マンサク属の落葉広葉樹で、マンサクの仲間では花が最も大きく、開花時期も1~3月と早く香りがよいこともあって、庭木としてよく植えられています。花は、黄色~紅黄色のリボン状によじれた4枚の花弁を持ち、直径1.5~2.3mm、花弁の基部は暗赤色となります。葉の長さ8~15㎝で、表裏面及び葉柄上に綿毛を密生します。また、開花時期に枯葉が残っていることが多いのもシナマンサクの特徴です。中国が原産地ですが日本で、庭木として植えられているものはシナマンサクが多いようです。
 日本に自生するマンサクは、花の時期がシナマンサクと比べてやや遅い2~3月で、花の直径1~1.5㎝とやや小さく、葉には葉裏の葉脈上を除いて綿毛はありません。マンサクは関東に多く、関西にはこの変種であるマルバマンサクが多く、更にマルバマンサクで花弁基部が鮮紅色のものをニシキマンサク、花弁も赤いものをアカバナマンサクと呼びます。マンサクの枝は強いため、細い枝をより合わせ合掌つくりの際のロープとして使われていました。
 庭木にはトキワマンサク(常緑、白花)やベニバナトキワマンサク(常緑、赤花)が生け垣などに使われることもありますが、これら常緑の種類はマンサク科トキワマンサク属に分類されます。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲シナマンサク(満開になると豪華)
▲シナマンサク(花は大きく枯葉が残りやすい)
▲マンサク(花はやや小さく、花期もやや遅れる)
▲ニシキマンサク(花弁基部が鮮紅色)
▲アカバナマンサク(花全体が赤い)
▲ベニバナトキワマンサク(常緑で赤花、トキワマンサク属)

                        homeへ

Newer PostsOlder Posts

ページトップへ