セスジスズメガ(№371)

 梅雨の頃から、全身黒く体側にオレンジ色か、黄色の眼状紋(目玉模様)をつけたイモムシを見ることがあります。尾端には先端が白い尾角と呼ばれる角があり、これをふりふり歩きます。いかにも刺されそうな感じがしますが、まったく刺しませんし毒ももっていません。幼虫が成長すると体節に白っぽいリング模様が入ります。体はつるつるで毛も無く、体長7cmにもなる大型のいもむしで、眼状紋がまるで蛇の目玉のようにも見えます。
幼虫の食草はヤブカラシ、ノブドウ、テンナンショウ、ムサシアブミ、カラスビシャク、ベニチョウジなど多くの雑草ですが、ホウセンカ、ニューギニアインパチェンス、サトイモ、サツマイモなども食べるため害虫扱いされています。
成虫は黒褐色の筋の入った灰白色の翅を持ち、静止した姿はジャンボジェット機のような形で腹の背中側に2本の白線が入ったスズメガです。
▲若令幼虫
▲終令幼虫
▲セスジスズメ成虫

 

ジャカランダ(№372)

 6月下旬になると日本では見慣れない青紫色の澄んだ花をいっぱいつけた高木が見られることがあります。ジャカランダといい南米原産の花木です。
 ジャカランダはノウゼンカズラ科ジャカランダ属で15mぐらいになる高木です。南半球の桜、キリモドキ、紫の桜、紫雲木などの別名もあります。原産地の
南米では常緑ですが、日本では落葉し、花が展葉と同時ぐらいに見られるため桜と呼ばれるようです。世界の3大花木(カエンボク、ホウオウボク、ジャカランダ)の一つに数えられています。日本では宮崎県日南市南郷町に約1000本が植栽されています。
 花は房状に咲き、1房50~90花が咲き非常に豪華です。この花は雄しべ5本、雌しべ1本ですが、5本のおしべの内1本は先端に葯をつけず、花糸に細毛をはやしており一見雌しべのように見えます。しかし、落花を見ると、落ちた花に4本の雄しべと1本の細毛をはやした雄しべが見られます。雌しべは胚珠とともに木に残っています。この細毛をはやした雄しべ1本の役割は何なんでしょうか。ジャカランダの花を訪ねる昆虫たちの行動を観察すれば何かわかるかもしれませんね。
▲開花中のジャカランダ
▲ジャカランダの花(左上には雌しべと胚珠が枝に残っている。花弁を裂くと中心に細毛をはやした雄しべが見られる。)

ヤエムグラ(№370)

 個々の植物は、他の植物と競争しながら太陽光線を求め上へ上へ伸びようとします。しかし、高く伸びるには樹木のようにしっかりした幹と根が必要になりますが、1年性草本のように短命な植物にはしっかりした幹は望めません。そこで知恵を絞った結果、蔓(つる)を利用したり他のものの力を借りて高く伸びようとするものが出てきました。
 秋に芽生え幼植物のまま冬を越したヤエムグラは春になると急に成長しグングン伸びますがその茎は華奢で自分で立ち上がることは出来ません。フェンスに張り付いていた30cm程度のヤエムグラをそっとはずして伸ばしてみると1m近くありました。しかし、その茎は写真のように細くまったく立ち上がることは出来ません。ヤエムグラは細い茎に下を向いた棘をたくさん生やし、葉の縁、果実にも棘をつけることで自分自身や他の植物、物に絡まって立ち上がる方法を取りました。
 華奢な植物もこのように棘を使う他、ツルになったり、巻きひげ、付着根を使ったりいろいろ工夫しながら出来るだけ上へ上へ伸びようとしているのがわかります。
▲1本のヤエムグラ
▲フェンスに絡むヤエムグラ
▲ヤエムグラの茎、葉、果実の棘
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