ツルナ(№387)

 数少なくなった八百屋さんの店先で、ツルナを見つけました。関西地方のスーパーではまず見られませんが八百屋さんには出ることがあるようです。
 ツルナはナデシコ目ハマミズナ科(ツルナ科)の雑草です。雑草といえば怒られるかもしれませんね。静岡県ではちゃんとしたハウスで栽培され、出荷されているそうですので。大手種苗会社の種子カタログにも1袋(約90粒)単位で販売されています。となるとれっきとした野菜ですね。
 高さ40~60cm、匍匐性の植物で葉は4~7cmの長さで菱形の様な形をしています。葉の表面には細かい粒状突起がありざらつくと同時に白く光って見えます。花は葉腋に付きますが花弁は無く、ガクが黄色く見えます。4月~11月まで咲きますが地味な花ですので注意してみないと見過ごすでしょう。果実は海流散布される数少ない植物の一つです。
 海岸の砂浜にはよく見られますが内陸では見ることはありません。野菜として栽培されていたのが逃げ出したのか、雑草だったのを栽培するようになったのかわかりませんが北海道南部以南の海岸で見られ、沖縄ではハマホウレンソウ、沖永良部ではハマチシャと呼ばれ英語で New Zealando
spinach(ニュージーランドホウレンソウ)と呼ばれるように各地で食用に供されているようです。栄養満点で胃炎にもよいそうですが蓚酸が多いため茹でて水に晒してから調理するのが良いようです。
▲ツルナ
▲ツルナの花(黄色く花弁のように見えるのはガク)

ルリカミキリ(№386)

 最近増えている生垣の一つにレッドロビン(またはベニカナメモチ)があります。ここで「または」と付けたのは、まったく同じものではないからで、レッドロビンはカナメモチとオオカナメモチの雑種として作られた園芸品種で、ベニカナメモチはカナメモチの中の新芽が赤い品種です。今回はこの2種の話ではなく、共通の害虫ルリカミキリについてです。
 ルリカミキリは体長10mm程度のカミキリムシで、体は黄褐色、翅(上翅)は美しいるり色をしています。触角が複眼の中央から出るため、複眼が上下に2分されている特徴があります。成虫は5~7月に発生し、成虫も幼虫もバラ科の植物(レッドロビン、サクラ、カイドウ、ヒメリンゴ、ボケ、ナシ、リンゴ、ズミ、カマツカなど)の害虫として知られています。成虫は新梢や主脈(葉脈)をかじります。細い枝に穴をあけ卵を産み、ふ化した幼虫は樹皮の下や幹に潜り込んで食害します。他のカミキリは幹の穴からおがくず状の糞を排出しますが、ルリカミキリは細い糸状の木くずをたくさん出すためその寄生がわかります。幼虫で冬を越すため、落葉樹では秋になって目立ってきます。
 防除は成虫の産卵防止に5~7月の殺虫剤散布、幹の太い木では殺虫剤の塗布、剪定時の被害枝除去、越冬幼虫には潜行穴を見つけ殺虫剤の注入や針金を入れて刺し殺すなどの方法が考えられます。しかし、カミキリムシとしては小さく、多数の幼虫が侵入することが多いため、殺虫剤の散布が最も実用的です。
▲梨の枝の被害状況
▲被害部分に潜入している幼虫

カツラ(№385)

 紅葉の時期、渓流沿いでひと際大きなカツラの木大が黄色く紅葉しているのを目にすることがあります。
 カツラは水際に多く、樹高30mにもなる高木ですが、大木の割に小さいハート型をした葉を多数つけることや、主幹が折れやすく、株立(主幹が数本立ち上がる樹形)しやすいため木全体がボリューム感のあるものになっています。落葉樹で、秋には黄色く紅葉します。紅葉した葉はやがて褐色に変わり落葉しますが、この状態の葉は甘い香り(キャラメル臭、綿菓子のにおい)を出すため、この匂いでカツラの木の存在に気づくこともあります。この匂い物質はマルトールと言われています。朝鮮ニンジンやモミなどにも含まれるそうですがカツラの葉には特に多いようです。また、カツラの材は建築、家具、彫刻、碁盤、将棋盤などに利用されますが大きな木が少なくなり貴重品となっています。
 雌雄異株で春先、葉が出る少し前に赤い雄しべ(または雌しべ)だけの花を開きます。
▲色付く桂の木(中央)
▲黄葉を始めたカツラの葉
▲紅葉落葉したカツラの葉(甘い香りがする)
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