オオクビキレガイ(№483)

 庭園、家庭菜園、ベランダなどの鉢の下に貝殻の先(殻頂)の欠けた、長さ1~3cm程度の細長い巻貝を見たことはありませんか。
 細長い円筒状の殻をもち、殻高(長さ)22~35mm、殻頂部が欠けた灰褐色の陸棲貝です。殻は上右の写真のように右巻き(貝の場合、殻頂部を上にすると殻口が右になるものを右巻きと言います)です。水中に棲むカワニナとよく似た形ですがオオクビキレガイは陸生貝で、カタツムリやナメクジと同じ仲間で柄眼目オカチョウジガイ科に分類されます。
 地中海沿岸を原産地とする外来種で国内では1988年に北九州市で発見されました。発生地は、比較的乾いた空き地、荒れ地、草地などで、ナメクジとよく似た環境(鉢の下など)に生息するようです。単為生殖、有性生殖のどちらも可能で1匹の成貝は年間200卵程度を産むようです。比較的乾燥に強い貝ですが、木などに登ることはなく地上生活をしています。夜行性ですが、雨天時には昼間も活動するようです。雑食性で、柔らかい植物やカタツムリ、ナメクジなどを餌とします。アメリカではガーデニングやゴルフ場のナメクジ防除に天敵として販売されているそうです。
 2018年、大阪府堺市で発見され大阪府病害虫発生予察特殊報が出されました。現在、堺市南部の公園や家庭、空き地などの花壇を中心にみられますが、害虫として問題になるほどではないようです。花や野菜の苗を食害するようですので今後の動静を見る必要はありそうです。
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▲オオクビキレガイ生息状況(鉢の下)
▲オオクビキレガイ成貝(右巻)
▲オオクビキレガイ未成貝

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スイカズラ(№482)

 初夏のころ、林縁の山道を歩いていると、黄色と白の2色の花をつけたつる植物にお目にかかることがあります。スイカズラ科スイカズラ属の半常緑性つる植物のスイカズラです。別名も多くニンドウ「忍冬」(冬の寒さに耐える植物)、キンギンカ(黄色と白色の花)、ミツバナ、スイバナ(花筒の奥に蜜を蓄えており昔は子供達がよくおやつ代わりに吸っていた)など古くから人々に親しまれた山野草です。
 日本全国に分布し、ツルは長さ10mにもなることがあります。初夏の頃、葉腋から香りのよい2個の花が咲きますが、最初は白く、やがて黄色に変わります。花には長い筒があり、中に蜜を貯め、メシベ1本、オシベ5本が見られます。
 子供のおやつだけではなく、新芽、若葉、花は山菜として食用にされ、漢方や民間薬としても利尿、健胃、解熱、神経痛、関節炎などに利用されていました。1年を通して緑の葉が見られ、花が金銀と縁起が良いとのことから庭木としても利用されます。しかし、アメリカでは、園芸用として栽培されたものが逸出し、はびこることから危険外来種とされているそうです。
 園芸品種も多く、ベニバナスイカズラ、ツキヌキニンドウなどが観賞用として栽培されています。
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▲スイカズラ
▲スイカズラの花(白:若い花、黄:古い花)
▲スイカズラの花(黄色)

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カジカガエル(№481)

 日陰を求め、渓流へ入ってみましょう。岩の間を流れる水の音を聞くだけでも涼しさを感じるものですが、水の音に交じって「フィー、フィー、フィーッ」ときれいな声が聞こえてくることがあります。特に朝夕には、数ケ所から競うように聞こえることもあります。鳴き声のする方向を探してみても、声の主は見つからないことが多く、不審に思われたこともあるかもしれません。
 この美しい声の主はカジカガエルです。アオガエル科カジカガエル属の小型のカエルです。体長はオス3.5~4.5㎝、メス4.9~8.5㎝でメスの方が大きく、昆虫やクモなどを餌としています。流れのある渓流に住んでいるため、手足の指先は吸盤になっていて、岩に張り付くのが便利になっています。体色は地味な灰褐色で不規則な斑紋を持ち河原の石に擬態していて、よほ
ど注意して探さないと見付けられません。5~8月、オスは渓流の一つの石を中心に自分の守備範囲を定めメスを呼ぶために鳴いていますが、体の色と模様が石にそっくりなため見つけるのはむつかしいです。
 カジカガエルはその鳴き声がシカの声に似るため「河鹿」と呼ばれるようになったようです。
 岩国市や真庭市では天然記念物に指定されており、江戸時代にはその声を聴くため、河鹿籠(カジカかご)での飼育がはやったそうです。
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▲カジカガエル
▲カジカガエル
▲カジカガエル

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