マダケ属の花(№355)

 春はたけのこのシーズンです。竹は地下茎を伸ばし、所々にタケノコを出し、それが成長して竹になります。地下茎が伸びる分だけ広がることになります。種子を作り、種子散布で繁殖場所を広げる他の植物とは違うと思っている人も多いかもしれません。しかし、竹も開花し種子をつけますが、その花を見た人は意外に少ないものです。
 昨秋からイネ科マダケ属の仲間が開花しているとの情報を聞き、撮影に行きました。幾種類かの竹が植えられているため、マダケの仲間としかわかりませんが開花していました。花は稲の花とそっくりで雄しべが外へ飛び出したような状態になっています。やがて大量の種子が出来、親株は枯死してしまいます。その後種子による繁殖が始まりますが、元の状態に戻るには15~20年かかるといわれています。また、竹の種子は栄養価が高く、竹が開花した翌年は大量の竹の種子を餌としてネズミが爆発的に増えるとも言われています。マダケの場合1度開花すると次に開花するのは120年後といわれており人間の寿命より長いため生涯その開花にお目にかかれない人も出てきます。
 イネ科ササ属のチシマザサの開花もマダケ属と似ていますが、開花周期は60年といわれています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲開花中の竹林(大阪市)
▲竹の花(大阪市)
▲竹の花(大阪市)
▲竹の花(雄しべが飛び出している:大阪市)
▲チシマザサの花(六甲山にて)


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