ムラサキツバメ(№354)

 翅を広げると、表側が紫色に輝き、後翅の端に尾状突起(しっぽ)が付いているきれいなシジミチョウがいます。チョウ目シジミチョウ科のムラサキツバメです。このチョウは、もともと南方系のチョウで、日本では関西以南の常緑広葉樹林に生息しているチョウです。翅を広げたときの開長は3.6~4cmで、前翅の内側(表側)は紫色ですが、その裏側は褐色で斑紋があります。マテバシイやシリブカガシを食草とし、冬は成虫で集団越冬しています。幼虫は、アリの好む液体を出し、トビイロケアリなどが幼虫と共生しているようです。
 関西地方では堺市の一部でその発生が見られていましたが、最近、京都、大阪、奈良市内でも発生が確認され、温暖化の影響とか、マテバシイやシリブカガシが街路樹や庭木として関東方面まで植えられるようになったためとか言われています。関東地方の一部で、成虫が越冬しているようでほぼ定着しているように思われています。
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◀ムラサキツバメ成虫


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