フサヤガ(№170)

 木枯らしの中、木の幹にゴミがくっついているようです。と思ってよく見ると脚らしいものが見えます。
 フサヤガ(フサモクメ)といって、開張35~39mmの、成虫で越冬する蛾の一種です。野外で静止している状況から、図鑑で名前を検索するのは容易ではありません。図鑑には右のような標本写真しか出ていないからです。右の写真であれば、図鑑から名前を探すことができますが、この蛾は、静止するとき、翅を左右に伸ばし、静止面にくっつけます。しかも、前翅をくるくる巻いて細くしているため、枝かゴミのように見えます。更に腹部を上に折り曲げているため、昆虫の腹部には見えません(写真左)。
 色や形だけでなく、止まり方で工夫をした擬態といえるでしょう。

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樹幹に静止しているフサヤガ
▲展翅標本のフサヤガ


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