ツルニンジン(№347)

 晩秋の山道を歩いているとつる性植物で、釣鐘のような白い花(内側には紫の斑紋がある)を下向きに咲かせている植物が見られることがあります。これはツルニンジンと呼ばれる、キキョウ科のつる性植物です。
 ツルニンジンは、ツル性のニンジンの意味ですが、ニンジンというのはコウライニンジン(高麗人参)のことで、根がよく似ているためにニンジンと呼ばれています。この根は形だけでなく、効能も本場ものと同様に高いようで、実際市場に出ているツルニンジンの根の価格は非常に高価なものとなっています。ツルニンジンの新芽はトトキと呼ばれ、代表的な山菜の一つです。地域によってはジイソブと呼びますが、これはもう少し小型のバアソブに対して付けられたもので、「ジイ」は「爺」を、「ソブ」は「ソバカス」を意味するそうです。ソバカスというのは花の内側の赤紫色の斑点を指して呼んでいるようです。
 果実も下向きで、熟すと先端部(下端)が開き、風に乗って翼の付いた種子が飛ばされます。
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ツルニンジン花
turuninnjinn
▲ツルニンジンの花(内側に赤紫色斑点)
▲ツルニンジンの果実
dsc_0722
▲ツルニンジンの種子(翼付きの種子)


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