ハンミョウ(№346)

 最近は農道まで舗装されることが多く、畑への道も快適になってきました。その反面、地道を生活の場としてきた昆虫にとっては生活の場を奪われることになってしまいます。その代表的な昆虫がハンミョウ(ナミハンミョウ)です。
 ハンミョウはコウチュウ目ハンミョウ科の昆虫で、かつては日当たりの良い林道や川原近くの小道にたくさん生息していました。成虫は大変きれいな昆虫で、金属光沢のある緑地に赤い横帯と白斑を持ち体長2cm程度です。長い脚には白い脛毛が見られます。地面を歩き回り他の徘徊昆虫を捕らえて餌としています。人が近づくと1~2m先へ飛んで逃げこちらが近づくと、また先へ逃げることを繰り返します。この様子から「道教え」とか「道しるべ」と呼ばれ親しまれてきました。敏捷に水平移動しますが垂直方向に飛び上がるのは苦手なようで高く飛び上がるのを見たことがありません。幼虫も、地面に縦長の穴を掘りその中に潜んで、近くを通る他の昆虫などを捕まえて餌にしています。そのため、土の道と切り離せない昆虫ですが最近は地道の舗装で棲家を奪われたようでなかなかお目にかかれなくなりました。
 ハンミョウと名前のよく似た仲間にツチハンミョウ科の昆虫がいますが、その生活は
ハンミョウとはまったく異なった別種です。ツチハンミョウの仲間はカンタリジンという毒物質を持っており有毒ですがハンミョウはまったく無毒です。しかし、肉食昆虫のため大きな顎を持っており、素手で捕まえると強く咬まれることもあり注意が必要です。
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◀ハンミョウ(ナミハンミョウ)


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